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省エネ大賞 節電技術開発物語 1.1.1 ろうそくと食事

Image by Olia Gozha

1.1.1 ろうそくと食事

停電時の代用照明が「ろうそく」によるものであろうと乾電池であろうと、いずれにしても停電という事実は日常の出来事の1つでした。今から考えればスイッチをいれれば明るく輝く電灯、電気のありがたさを自然に身をもって体験していたわけです。

夕食時の停電となれば「ろうそく」を食卓や部屋の2、3カ所に灯して、薄暗いところで停電の復旧を待ちながら食事をしていたわけです。

今にして思えば、何となくロマンチックな照明のように考えることができるかもしれませんが、照明なしでは生命維持の基本である食事さえも不自由だったわけです。

この頃のことを思い出せば、停電がほとんどない現在の生活環境では電気というエネルギーはコンセントからあたかもあたりまえのように供給されるものと錯覚するのも当然かも知れませんし、理解もできます。

快適で便利な現在のエネルギー事情、恵まれた環境には感謝しつつ、そのエネルギーを大切にすることを忘れないようにしたいものです。許されるなら各家庭で停電の日とか、停電の時間帯を意識的に設定するのも一つの案かもしれません。

テレビを意識的に家庭から排除すれば当初は不便に感じるでしょう。しかし、人間ですから他の情報入手方法を探るでしょうし、静かになった時間を読書など他に有効利用する方法、手段も工夫するでしょう。

すべたが与えられた環境は一見すばらしいように思えますが人間本来の工夫力、考える力、向上力を徐々にそぎ落としてゆくように思えます。満ち足りた環境に長く居座り続けると人間の脳力は退化するのではないでしょうか。これは筋肉を適度に使用しなければ筋力が落ちるのと同じではないでしょうか。

物がないことを悲しむよりも物がないことを工夫する力の源泉にすることは人間ができる偉大な能力の一つです。

以上、私が経験した停電は多少ユーモアも感じられ、生死の問題とはほど遠い次元の話です。しかし、これが現代の大都会での停電となると話は死活問題に発展します。

東京圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、人口3200万人、1150万世帯)で8月下旬に暑さに対するクーラー等の電力消費が急上昇し、供給が対応できず停電になり3日間停電が続いた場合、

①推定被害額:日本エネルギー経済研究所のモデルを用いた推定だと、その後の一年間の波及効果を含めて1兆8000億円。

②断水影響:東京圏に住む世帯の約3割の350万世帯が三階以上の高層建物に住む。そこは汲み上げポンプ式で停電になると数時間で水道は止まる。

③医療機関への影響:大病院等は自家発電設備が義務付けられているが、日頃の点検が十分でない場合や、燃料確保が不十分だと自家発電が停電後すぐに機能を発揮しない。

④交通への影響:私鉄、地下鉄は保安用にのみ自家発電があるが、運行や信号機用の電源はない。JRも自家発電があるが、運転や信号機の作動に大きな支障が出てくるためかなりの部分がストップする。

⑤家庭生活被害額:一世帯当たり21,400円

しかし、断水でトイレに行けないなど定量化できない影響や、東京に情報ネットワークの中枢が一極集中しているために引き起こされる全国への波及や国際的な波紋を考慮すると被害額は10倍以上(18兆円以上)になることも考えられるという。

(「フォーラム・エネルギーを考える」、日本エネルギー経済研究所調査結果)

約20年前の数字ですが、大きすぎてすんなりとは理解できないのは私だけだろうか。

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