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夜のアーケードで、アロマを置いてもらっているネパールのお店のコックさんと出会う。
「1件、リニューアル。6月オープンです」
そのときは、お祝いに新しい香りを持ってゆきますと。
オープンを前に、お祝いの握手をした。
少し進むと、いつものアコーディオン弾きが一人から二人になっていた。
フラメンコの音楽を、聴く。
「次の日曜日の演奏会のチケットは完売で、次は10月になるんです」
10月、行ってみようかなと思った。先ずは、お祝いの拍手を贈る。
少し進むと、タロットの占い師が台の向こうから。
NHKの、のど自慢が控えていると言う。
「土曜が予選で、日曜が本選。出るなら、勝ちにゆきますよ」
予選選出に、おめでとう。テレビ、観ますねと握手をした。
コンビニエンスストアに入ると、赤と緑が映った。
それは、トマトの赤とキュウリの緑だった。
「念願の、野菜売り場ができたんです」
トマトとキュウリを、レジかごに入れた。
世の中は、ミステリアスとサバイバルに満ちながら。
こんなにも、喜びと期待と笑顔が溢れていて。
おめでとうの花束を渡しながら、旅をしているようだった。
幸せへの乗車券を受け取りながら、旅をしているようだった。
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