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投げつけられたはさみ。

Image by Olia Gozha

「あなたより年下の女性と仕事をすることになるのですが、かなり気の強い人ですが大丈夫でしょうか?」

派遣先との面談の最後の最後に、確認として聞かれた。

働きたいという意思確認をした後で、尚且つこちらもまだ新卒2年目という経験の浅い中でのチャンス。「大丈夫です」というしかないじゃないか。

内心、めんどくさい人だったらどうしようかな・・・と思いながらも、忍耐力には自信があった私は、そのまま派遣会社の担当にも最終的なOKの返事をして別れた。

後日、先方からも内定をもらい、晴れて私は派遣で営業事務という仕事に就くことが決まったのだ。

その会社は、その業界では中堅の企業だったが名の知れた商社で、商品も大きい物から小さい物までたくさんあり、覚えるのが大変だろうと思ったが、やりがいがあるさ!と言い聞かせ、初勤務にいった。

受付をすませ、更衣室に案内された私は、自分の名前の入ったロッカーの前で、(ああ、ここで働くんだな。OLさんなんだな)などとのんきに思っていた。

その時、更衣室にものすごい勢いで一人の女性が入ってきて、何かをベンチに投げつけて、眉間にものすごい皺を寄せて私に言い放った。

「これで着替えてさっさと来て!」

面くらった私は「は、はい」というのが精一杯。

みると、ベンチにははさみが一つ転がっていた。

そのはさみで新しい制服のタグを切り(そうか、あいつか・・・私の次の相手はあいつか)と思いながら、制服に着替える。そして、ため息交じりの覚悟というより諦めに近い気持ちを抱えて、自席に向かった。

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