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病院で看護師をしている私が思う高齢者を入院させている家族の心得

Image by Olia Gozha

「心得」など大げさな言葉にしてしまいました。(^^;


今、私はほとんど高齢者が入院している病院で看護師をしています。

「看取り」の方もいらして、2,3日に1人は亡くなるような病棟に勤務しています。

さいわい回復して退院される方ももちろんいらっしゃいます。

「生と死のはざま」で日々過ごしています。

そんな中でその高齢者を支えられているご家族の立場で書きたいと思います。

ご家族の思いも本当に様々です。

これまでにご家族の中で確執があったであろう人。

とても大事にされているご家族。

本当に様々です。

勤めているとどういうご家族なのかは凡そわかります。


私は自分の両親を見送った時、そして自身が医療職であることから、

「施設や病院にお任せしよう。」

というスタンスでした。

自分にも仕事があり、とても在宅では面倒を見られないことから、施設を転々、病院でもお世話になりました。

多少、「扱いが雑だな。」と思ったこともありましたが、クレームを入れたことはほとんどありません。

たまたま看てくださった施設などが良いところだったのかもしれません。


病院ではもちろん入院されている家族を思ってのことですが、クレームやとても細かい指示をしてくるご家族がいます。

病棟でもそういうご家族であることを認識していますが、クレームや細かい指示がたびたびであると辟易してしまいます。

そういうことがたびたびになると看護師も「慣れ」てきてしまうんです。

患者さんご本人でも頻回にコールする方もいらっしゃいます。

病院には処置が必要な患者さんがたくさんいらっしゃいます。

しかも現場は人不足です。

コールのたびにその患者さんのところに行っているとかかりきりになります。

1分間にコールを連打する患者さんもいらっしゃいます。

そうすると看護師も行くことも数回に1回になってしまいます。

ご家族でもコールを押してくる方もいらっしゃいます。

そうなると結果、言い方は悪いですが、「おざなり」になってしまうんです。

患者さんを思う気持ちも本当にわかるのですが。。。

そしてご家族も追い込まれている、必死になっている、視野が狭くなっている場合もあります。

そのような心理状況もとてもよくわかります。

しかし結果的にこのようなことをしていると、

「そういう人たちなのね。」

というカテゴリーに分類されてしまいます。

ゆえに患者さんもご家族も不幸になってしまいます。

繰り返してしまいますが、在宅ではとても面倒が見きれない患者さんです。

そうなると、

「もっといい病院に転院しては?」

「在宅介護にしては?」

思ってしまうんです。


もう本当に不幸になってしまいます。


書きながら思ってしまいましたが、「クレーマー」のようになってしまいます。

自分たちの立場を擁護する気はさらさらありませんが、何かそういう心情も理解して欲しいんです。看護師も助手さんも日々、懸命にケアしています。

それが患者さん、ご家族のためであったりもします。


これから介護をするようになる方もいらっしゃるかと思います。

そのような方にも読んで欲しいなと思っています。



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