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ネット婚活マジック⑫私を愛した先生からの卒業

Image by Olia Gozha

16歳から、30年余り世話をかけた整形外科の先生がいる。



その先生の元を離れたのは、自分で自分を生きてみたいからだった。



いつでも私が大変にならないように、進もうとする道にある障害物をどけてくれ。


傷つくことがないように、関わる世界に制限をかけ。


すべてを、解決してくれた。


だから、私はやりたい放題だった。



40年の間には、15年ほどの空白がある。


先生の転勤と、私の結婚と離婚と子育ての時期。



再会をした先生は、歳をとっていた。


わがままを言って、もう悲しませたくはないなと思った。


「これからは、私が先生を大事にしてあげる」、と言うと。


嬉しそうにしたけれど、自分はまだまだ大丈夫なのだと返事が返る。



数年後、先生が病気になって長く休むことになると。


私は、いよいよ自分がしっかりしなくてはいけないと思えてきた。


それでも、先生はまだまだ元気だから大丈夫なのだと言って譲らず。



親との縁が薄い私にとって、先生は家族で、先生のいる場所が自分の家のようだった。



だからなのか、

私のために、痛みをこらえてほしくはなく。


苦しいときには苦しいと、言ってほしかった。


それをしない先生と、させたい私とが向き合ってしまい。


診察室の扉を開けようとすると、

「自分の手で、きちんと閉めなさい」

という声が、聴こえてきた。


先生の言ったとおり、世の中はミステリアスとサバイバルに満ちている。


世の中や人の中へ、送り出してくれたのだから。

精一杯、生きたいと望む。


感情を、伝えたい。

笑顔を、届けたい。

涙も、隠さないでいたい。


少しだけ、先生を振り返りたかったけれど。

頑張る。


手を振っている姿が見えたら、振り返してください。

振る手が見えたら、私からも手を振れるように。

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