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【グロ注意】生死にかかわる床ずれ

Image by Olia Gozha

今、私は病院に勤務しています。

ほとんどの患者さんは高齢者の方。

いわゆる「看取り」の場でもあります。

施設に入所されていた方が容態が急変して入院されるケースも多々あります。


急変のケースにもいろいろな病態がありますが、生死にかかわる病態の1つに「床ずれ」があります。

医学用語では、「褥瘡(じょくそう)」と言います。

私の家族でも寝たきりになった人がいますが、さいわいにも褥瘡はできませんでした。

しかし病院に勤務しているとひどい褥瘡、衝撃的な褥瘡を見ることになりました。

褥瘡は「床ずれ」と言う通り、地球には重力があるので、横たわっていて「圧」がかかるところ至るところにできる可能性があります。

もっとも多いのは「仙骨」という部分で、おしりの少し上の部分です。

お年寄りの腰が曲がる起点になる部分です。

その部分が突出してくるので、できやすくなります。

この仙骨部の褥瘡だけでも強烈なんです。(*_*)

褥瘡は範囲もどれだけ身体にダメージを与えているかの指標になりますが、「深さ」も重要な指標になります。


ここからがグロになるので注意です!


その深さたるや皮膚を破壊し、骨まで見えてしまう褥瘡もあります。

こうなると「傷」ではなく「穴」です。

自分も穴を見た時は衝撃でした。

「うわぁ。この人、生きてる(←完全、素人)!」って思ってしまいました。

褥瘡を治すためには清潔にし、薬を塗ったガーゼで保護していきます。

その清潔にするための洗い方も強烈なんです。

指をグリグリ入れて洗うんです。もちろん清潔操作です。

そのグリグリを見ていると患者さんが人間で思えなくなってしまうんです。

すごく言い方が悪いですが、何か部品を洗っているようなそんな感覚です。

もっとグロい外科的処置がありますが、そこはあえて伏せます。

そのグリグリやガーゼ保護で回復していけば良いのですが、回復するために不可欠なのが、その患者さんの栄養状態と栄養を吸収できる身体なのかということです。

これが生死を分けます。


褥瘡は、その患者さんの例えば潰瘍ができやすい疾患などベースにもっていることもありますが、仙骨だけではなく、「かかと」や「すね」、「おしり」も好発部位です。

「すね」の場合、「〇〇〇リブ」状態になってしまいます。

残念ながらこういう方は予後が悪いです。


「どうしてここまで放っておいたんだろうか?」という思いもあります。

私はここまでになる状態までのことがわかっていないので何ともいえません。

その患者さんの状態もあるからです。

まだまだ自分は褥瘡の勉強ができていないので、この機会にしっかり専門書を読んで学んでいこうと考えています。


今後、日本は世界に類を見ないスピードで高齢化が進みます。

そして現在の日本の高齢者の治療は、欧米に比べ「寝たきり」を増やしているように感じます。

率直に、病院は「寝たきり製造機」のように思うことがあります。

なんせ人手が足りません。

「生きること」、「尊厳」とはどういうことなのかを考えさせられます。

ご家族の負担もあり、思いもあります。

一概に決められるものでもありません。

とかく「介護」には暗いイメージがつきものです。

もっとリハビリ施設を拡充させたら良いのではないかと私は思っています。

寝たきりにさせないこと。

自分で食べられるように支援していくこと。

これらを実現させるためには施設も人出も足りませんし、なんといっても介護に従事する人たちの待遇がありえないほど低いです。


介護の仕事は今後AI化が進んでも無くならない仕事、待遇がアップする仕事であると記事で読みました。

ぜひそうであってほしいと思っています。


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