top of page

Let’s be the first penguin!

Image by Olia Gozha

ファーストペンギンになれ!


海に飛び込まないと エサが取れないんだけれど、怖くて尻込みしてしまう。だって、 海の中には自分を食べてしまう恐ろしいシャチやオットセイがいるんだもん・・・。


みんなが、どうしようか思案している中に、1羽だけ勇気のある奴がいた。そいつが飛び込むと、次々と飛び込み始めた。


そんな勇気ある「最初のペンギンになろう!」って、まずは子どもたちに伝えたい。


私の生き方の原点に、そういう気持ちがあります。


そして、物事を決める時の判断基準は「楽しいか、楽しくないか」。楽しいことがいくつもあるときは、その中で一番「大変そうなこと」を選ぶようにしています。




◇◇ 未来予想図 ◇◇


「これから先、どんな未来になるか」ということを、まずは一緒に考えてみましょう。


たぶん皆さんもご存じだろうと思いますが、数年前から、いろいろなことろで引用されている、象徴的な数字が3つあります。


1つめ、「65%」


これは、米デューク大学の研究者であるキャシー・デビッドソン氏が、2011年8月のニューヨークタイムズ紙インタビューで語った言葉に由来します。


「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」


現在の中学校2年生に相当する子どもたちということになりますが、その65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろうというものです。言い換えれば、今、この世に存在しない仕事が半分以上新しくできる、ということです。


「将来、何になりたいの?」と尋ねた時、65%の子どもが言えなくても当たりまえ・・・ということなのかもしれません。


2つめ、「47%」


これは、英オックスフォード大学でAIなどの研究を行うマイケル・A・オズボーン氏が、同大学のカール・ベネディクト・フライ研究員とともに著した『雇用の未来 — コンピューター化によって仕事は失われるのか』という論文に中に出てくる数字です。


10〜20年後に自動化され、なくなる仕事がこれだけあるという予測で、現在ある仕事の半分がなくなるわけです。


実際、どんな仕事がなくなるの?というと、翻訳家、証券マン、生命保険の勧誘、レジ係、学校の教員?! ・・・と言われています。


えっ? じゃあ、その仕事は誰がやってくれるの? ・・・というと、ロボットがいるじゃない、人工知能があるじゃない、となるわけです。


最後に、「3人に1人」


今後の人口動態予測を見ると、高齢化がどんどん進み、 2030年は3人に1人が65歳以上になります。こんな世の中、 かつて日本では経験がなかったことです。反対に、生産年齢人口や子どもたちの数はどんどん減少し、このままでは日本が立ち行かなくなる。そういう予測が、統計から導き出されています。


さて、ここで皆さんに質問です。


自分の知らないこと、新しいことを提示されたとき、どんな反応をされますか?


「無理だ、できない」と思いますか?

それとも「おもしろそうだ、やってみよう」と思いますか?


それが良いことか悪いこととかは別にして、「これ無理やし、 やめといたほうがいいよ」と考えるのが《20世紀型人間》。20世紀に学校で学んだ人は十中八九、そう考えるそうです。


誰しも、自分が予期せぬことを言われたら、「あ、ちょっと待って。それ無理!」と考えるでしょう。ですが、「そりゃ、新しいことを言われたら、わからんのは当たり前」と気楽に考えれば、 必ずしも否定だけが答えではないかもしれません。


そして、「わかった! 面白そうやん! やってみようや!」の方が、絶対に楽しいし、新しいものを生み出せます。「この部分は無理かもね」って、《無理》を口にするなら、後でいいと思うのです。


私たち大人(=20世紀型の人間)は、心をできるだけオープンにして、相手の言ったことを、まず受け入れるという姿勢を持ちたいです。そうでないと、 21世紀の子どもたちに向かって何かをしようとする時、なかなか辛いだろうな、ストレスがかかっちゃうだろうな、と思います。




◇◇ 教育が変わる ◇◇


学校の多くは、公立私立問わず「一生懸命頑張れば、どんどん世の中が良くなっていく」そんな時代に作られたシステムが基本になっています。


一生懸命コツコツとやり続けられることを良しとして、そういう子どもを なるべくたくさん育てよう・・・と考え、作られたシステムです。


ですが、そんな時代はもうとっくに終わっています。


そのことは誰もが気づいていますし、国だってとっくに気づき、対応しようとしています。画一、均一のなかで、一定水準のものを作っていく時代ではないということは、もはや疑う余地はありません。


また、2020年度から、今の大学入試センター試験にかわって、新たな入試制度が導入されることは、皆さんもよくご存知のことだと思います。いろいろ迷走している部分はありますが、教科書の内容を記憶し、試験で時間内にどれだけ正確に吐き出せるかといった力だけで、合否を判断するわけではありません。


偏差値に一喜一憂するような教育ではダメだということを、大学入試を変えることによって形にしようとしているわけです。現在の学校教育に対して、大きな警鐘が鳴らされているということを、私たちはもっと考えなければなりません。


今、学校で育成すべき「21世紀型スキル」は、この3つだといわれています。


1. Information and communication skills

(情報・メディアリテラシー、コミュニケーション力)


2. Thinking and Problem-solving skills

(分析力、 問題発見・解決力、創造力)


3. Interpersonal and self-directional skills

(協働力、自己規律力、責任感・協調性、社会的責任)


私たちが取り組むべきは、正解のない「問い」へのアプローチであり、児童生徒に身につけさせるべき力は「課題解決に向けて協働する力」「自分の考えを表現する力」「クリエイティブな思考力」なのです。




◇◇ 学校はどんな場所か ◇◇


このような教育改革の渦中にあって、いくつもの学校がその対応を進めています。ですが、まだまだ旧態依然としたところが多いのも事実です。


言われたことだけをやるような人ではなく、そのなかでにやりたくないことや疑問を感じたら、それを課題と捉え、その解決方法を考える。そして、実行する。


学校で育てるべきは、そんな子どもたちです。


先生が前に立って、「教科書、何ページを開きなさい!」「ここを覚えるのよ!」っていうような授業で、そんな子どもが育つはずありません。


また、学校って《育つ場》なんだから、子どもたちにはどんどん失敗をしてほしいと思っています。


学校って失敗が許される場所だから、たくさん失敗した方がいいやん! その方がいっぱい学べるぞ・・・って。


先生たちには、そう子どもに声をかけてあげてほしいと思っています。


また、私たち大人って、よくこんなことを言いますよね。100点満点のテストを作りました。「あなた、60点やったでしょ。あと40点分、頑張りなさい!」。 


いやいや、 その子は60点でも自分なりにすごく頑張ったかも知れません。でも、100満点のテストは、みんな100点取らなあかん、と。


でも、それって誰が決めたんですか? 一生懸命頑張って60点とったら、褒めてあげないといけないんじゃないんですか。


「100点満点のテストは、 100点取らなあかん、 あと40点分頑張らなあかん」って、 すぐそんな「足りない」部分に目を向けてしまう。でも、そんなことばかりやっていては、頑張ろうって気は起きないですよね。


なので、その子の弱みをなんとかするよりも、その子の持っている良いところをどんどん伸ばすということにフォーカスした方が絶対にいいんです。


先ほど述べた「課題解決に向けて協働する力」「自分の考えを表現する力」「クリエイティブな思考力」は、そういう中で育まれていくものです。


それなのに、学校ではそういうトーンになりづらい雰囲気があります。わかっているんだけれども、なかなかそれができない。それが現実です。


でも、ちょっと先を見ている?先生方はそれに気づき、対応を変え、取り組んでいらっしゃいます。


私は、教壇に立った最初から「授業は知識を与える場ではない。その代わりに、学び方の種をまこう!」ということを、一生懸命言い続け、実践してきました。


そのためには、学校が高い塀を立て、教員だけですべてのことをやろう・・・というスタンスでは絶対に無理です。


それよりも、地域や企業どんどんつながり、先生だけではできないことを、いろいろな機関(専門家)の力を借りて、任せるところは任せながら、連携してやっていくことが必要です。




◇◇ 今後に必要なチカラ ◇◇


以前、子どもたちに「かっこいい大人ってどんな人だと思う?」って聞いたことがあります。


出てきた答えは・・・


・自分の意見をしっかり言える人

・自分の趣味を持ち続けられる人

・自分の決めたことを実行できる人

・自分でルールを決められる人


この4つに集約できました。


大人は、自分の意見を言ってほしい!

大人は、これが趣味やと思ったら どんどんやってほしい!

お金がない、時間がないって 諦めないでほしい!

決めたことあるんやったら、それを最後までやりきってほしい!

みんながより良くなるようなルールを作ってくれたら、もっといい!


子どもたちにとって、憧れる大人、 将来なりたい大人って、こういう大人らしいです。


じゃあこれに対して、私たち大人はどうすればいいのか。


・子どもから学ぶ

・常識枠に閉じ込めない

・一緒に成長する


私たち大人のココロには、自分がこういう価値観で、こういうふうに思っているという固定観念(今までの育ちの中で身につけた常識)や、その枠の中に囚われている自分が根強く居ます。


それを、いま一度見直した方がいいと思います。


そして、子どもと一緒に見たことや考えたことを、「もしかしたらそうかもしれないな・・・」と受け止め、子どもの頃に戻ったような、何も染まってない純粋な頃の自分に立ち返り、「その時の自分なら、どう考えるかな?」って、子どもと一緒に考える。


多分その方が、 子どもと大人がともに納得できる、《素敵な答え》が見つかるのではないかと思います。


ある本の中に、こんな言葉がありました。


「幸せな子」を育てるのではなく、 どんな境遇におかれても 「幸せになれる子」を育てたい。


当然、私たち大人は、 自分の子どもに幸せになってほしいし、それを願わない親はいません。そのために「あれしなさい、これしなさい」「あの方がいいよ、この方がいいよ」「こうした方が、あなたが大人になった時いいと思うわ」って、一生懸命声かけをします。


でも、その声かけは、あくまでも声をかけるお父さんやお母さんが「いいことだ」と思っていることであって、 聞いてる子どもにとって、本当にそれがいいことかどうかわかりません。


確かに、今はいいかもしれないけど、 5年後10年後、その子どもがどういう境遇で、どういう人生を歩んでいるか分からないのに、今の価値観をもとに言ったことが、いろんな人生経験を積んだきた全ての子どもの将来に共通する《幸せになる方法》でしょうか?


そんなこと有り得ないですよね。


なので、「お父さんやお母さんはこう思うけど、 あなたはどう思う?」って、この先、子どもが大きくなって、こういうときが来たら、こういう風に考えたらいいじゃない? こういうことも考えられるよ・・・と、いろいろな視点で物事を見て、考えられるようになれるような接し方をすべきだと思います。


子どもが大きくなって、 自分で自分の道を決めていかなければならないときに、様々な考えを自分で見つけていけるような、そんな「思考の種まき」をしていきたいと思っています。




◇◇ 締めくくりに ◇◇


いま、私が一番気に入っている言葉があります。


何もしなければ何も起きない。

行かなければそれはやってこない。

飛び出さなければ世界は変わらない。

すべてのひとの心に翼はある。

使うか、使わないか。

世界は待っている。

飛ぶか、飛ばないか。

海をこえよう。

言葉をこえよう。

昨日をこえよう。

空を飛ぼう。


― ココロノツバサ。ANA 60th ―


今日の締めくくりに、この言葉をみなさんに贈ります。

←前の物語
つづきの物語→

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page