top of page

13/6/21

【1】痛みと温度が同居した日 ~ブラウン管の向こうに~

Image by Olia Gozha

わたしがはじめて観た映画

それはチャップリンの 『キッド』 だった。


無声映画だったけど 当時10歳だったわたしは

ブラウン管の向こうに 新しい世界を見たような気がして

思わず涙したのを覚えている。

モノガタリに泣いたのか それとも別に理由があったのかはわからない。


それから 映画という世界に引き込まれていった。


両親が映画好きだったこともあって

身近にその世界を感じることができた。

『サウンドオブミュージック』という映画は

セリフを暗記してしまうくらいに何度もくりかえし見たのを覚えてる。


でも わたしは勉強ができる子ではなかったから

自分でもなぜセリフを覚えることができたのか不思議だった。

両親はわたしの勉強のできなさ加減に ほとほと呆れていて

わたしの将来をひどく心配してたから。

小学校に母が呼び出されることもあって

「このままではお子さん、大変なことになりますよ」って言われもした。

帰り道、肩を落とす母を見て、自分も悲しくなったのを覚えている。


それに加え 三姉妹の次女であるわたしは やけに手のかかる子供だったらしく

姉妹の中で喧嘩がおきると、叱られるのはいつも わたしだった。


どうせ できない

どうせ ダメな子

どうせ 愛されない


いつからか そんな暗示を自らかけるようになっていった。

だから 唯一 映画の世界だけがわたしを癒し 勇気をくれたのです。

『キッド』の中で見た 少年とチャップリンの孤独は

まるで 自分を見たかのようで 涙したのかもしれません。

そんな出会いは いつしか予想もしない想像を生んでいくようになったのです。


←前の物語

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page