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ネット婚活マジック⑦不誠実な結婚と○1と丙午の女

Image by Olia Gozha

29歳で、見合いをした。


結婚は、したくないと思っていたけれど。


家族や親族の中では、私の自由はどこにもなかった。


見合いをすると、即時に結婚が決まった。


どうしてだろう。


夫になる人は、社会の立場上で結婚を求めていて。


戸籍上の結婚ができさえすればよいのであり、一緒に住む結婚生活を望んではいないはずだった。


私は、それぐらいの人がよいと思っていた。


死ぬために、結婚をしたようなものだったから。


別居なり、家庭内別居なり。


それぞれに仕事をして、互いの生活がやはりそれぞれに成り立ってゆくのなら。


それで、いい。


それが、いい。

そう、思っていた。


ところが、結婚をすると夫となった人は社会の立場上。

今度は、子どもが必要だと言った。


しかし、私のことは抱けないと言う。


「ぼく、ダメなんだ。いざとなると、女を抱けない」


どういうことだろう。


好きな人がいると聴いていたけれど、その人とは結婚ができないと聴いていたのだけれど。


分かるようで、分からない。


どういうことだろう。


どうしようと思っていると、夫の父が、

「あいつは置いてといて、楽しくやろうや」

と、自分の息子と同じ年の頃の写真を持ってきて売り込んできた。


毎日、何度も夫の父から猥雑な電話がかかってくる。


このことを、夫に話すと社会の立場と父親のことを考えるとやっぱり子どもがいた方がよいという言葉が返った。


そういうことで、子どもを作ってもよいのかを婦人科のセックスカウンセリング外来へ相談にゆくと。


夫婦で決めることは、夫婦でとことん話し合って決めることが良く。


そこに子どもが生まれたならば、

「お母さんのあなたが愛情を、めいいっぱい注いであげればいいのよ」

と、あっさりと言われた。


そうかなぁ。


そうなのかなぁ。


こうしたときに相談をする母がいない私には、決めかねて答えが出なかった。


どうしようと思うのは、子どもを望むとしたら。


どのような方法で、子供を成せばよいのかが分からないこと。


医療、母性保健、母子管理を受けて。


私は、子供を作ることも、お腹で育てることも、出産も医療任せで頑張る必要がないまま。


クリスマスの前に、一人の女の子が生まれ。


その後に、夫が契約者、夫の父親が受取人、夫の母親が作成者という私名義の生命保険がたくさん作られていることが生命保険会社の内部リサーチの人の訪問で分かり。


その事実を問うと、答えられない夫に不信感しか持てず。


生まれたばかりの娘の保険もあることが分かり、娘を連れて夫と婚家から逃げたのだった。


社会の立場上、離婚はできないと言うその人は生命保険の作成はほんの冗談だったと言った。


自分は、知らないとも言い。                     母親が勝手に作ったのだから、私の家に婿養子に入りたいと言ったところ。


一夜が明けると、親には逆らえないから離婚をするという。


結構です、有り難い。


小さな娘の命が、私と一緒に生きることになった。


離婚をバツ×1というけれど、私にとってはとても幸せなことだったので○×1だ。◎でも、いい。


離婚が成立したことにホッとしている私に、その人が言った。


「お前、絶対幸せになんかならないから。丙午生まれだろ? 丙午の女は死ねっていう祈祷を、専門の寺で親父とお袋と一緒にしてきたんだからな」


この人、バカ×1だと思った。親父とお袋? バカ×3だ。


でも、自分の人生をあきらめて死んでゆく気持ちで嫁いだ私もバカに違いない。


小さな娘のキラキラする瞳を見て、賢くなるぞと思った。


娘は、賢くありますようにと願った。

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