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アホの力 5-5.アホ、握手しまくる

Image by Olia Gozha

この日の『じゃぶじゃぶ池オープニングイベント』には、物凄〜くたくさんの人が訪れた。


池を子供達が囲んで、一斉にテープカット。それを合図に子供達が池の中に駆け込んで行く。そして、歓声をあげながらみんなじゃぶじゃぶしている。


そのじゃぶじゃぶする人の中に、南相馬市長を見つけた時は、思わず笑ってしまった。喜んでいたのは、子供だけじゃないのだ。大人達も大いに喜んだ。子供達を安心して遊ばせられる水場が出来た事を、大人達も歓声を上げてくれたのだ。

 

この日、私が帰って来る事を知っていた人は、facebookでつながっている人だけだった。会場にいる私を見て、驚いた人も大勢いたに違いない。

何せ一時は『アイツは死んだ』という噂まで流れたのだ。噂を信じていた人は、私を見て『化けて出やがった!』と思ったに違いない。

会場にいると、次から次へと知り合いが歩み寄ってきて、私の帰宅を喜んでくれた。私の人生で、これほど大勢の人と握手や抱擁を交わした経験はなかった。A◯Bの握手会かと思えるほどだ。それもみんな私に握手を求めてくれる。

何故こんなに、みんなが握手を求めてくるのだろう?

これはきっと、死にかけの領域にいた人の帰還を祝おうという、人間の原始的な衝動なのだろうな…そんな事をぼんやりと考えながら、みんなの握手の求めに応じていた。だって、私という人間そのものには、いくらなんでもそれほどの価値は無い。きっと人間には、そうした社会性が備わっているのだ。だとしたら、この日のじゃぶじゃぶ池のオープンをこれほど多くの人が祝う事も説明がつく。南相馬は、震災と原発事故で瀕死の状態になった街だ。じゃぶじゃぶ池のオープンは、その状態からまた一歩復活した事を表している。それをみんな祝っているのだ。


私は、私の大好きな街の復活を祝う場所で、みんなが私の復活も祝ってくれている事に感動し、この上ない生き甲斐を感じていた。

 

そんな中、活動を共にする『みんな共和国』の仲間達は、忙しく働きながら、子供達とじゃぶじゃぶしまくっている。

私も足を濡らしながらじゃぶじゃぶする。

心の中では感涙にむせび泣きながら、状況を心底楽しむ。

そして楽しみながら自分の役割を見つけてそれをやる。

 

そんな南相馬に、私はとうとう帰ってきた。

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