top of page

アホの力 5-3.アホ、ワクワクし過ぎる

Image by Olia Gozha

『じゃぶじゃぶ池プロジェクト』というプロジェクトが、入院中の私を後目に進行していた。前述のメロスがプロジェクトの中心人物となり、じゃぶじゃぶ池の設置場所の交渉や施工業者探し、資金計画(クラウドファンディングを使い、資金の一部の支援をネットで募るという方法を使った)等々、数々の課題をブルドーザーのような激烈な突破力で突破しながら、プロジェクトは進行していた。

私はその様子をネットを通じて見守るしかする事が無く、『あぁ、オモロそうだな。この流れに加わりたいのになぁ』と、ちょっと忸怩たる想いで眺めていたのだ。

工事の竣工日と、じゃぶじゃぶ池の運用開始日は決まっていた。その運用開始日に合わせて、『じゃぶじゃぶ池オープニングイベント』が開かれる事が決まっていた。


退院したからには、何が何でもこのオープニングイベントには出席させてもらわねば。


 


オープニングイベントの日にちは、7月20日21日だ。私が退院して、わずか1週間後だ。


出席出来るかどうか…というより、そもそもこのイベントに間に合うように退院したのだ。出席する事は私の中では決まっていた。


後はそれに向けて行動するのみ。


そのために退院してすぐにあちこちに出かけ、『健常者の生活リズム』に体が馴染むように、自分自身を仕上げていった。


猶予期間の1週間で、杖を頼りに人混みの中を歩き、地下鉄を乗り継ぎ、たくさんの人と会って話をした。大きな荷物を持っての移動も試してみた。そうやって毎日どこかしらに出かけ、一気に自信を高めていった。


 


そして7月19日、私は東京駅に向かった。南相馬に一時帰宅するために。


東京駅から高速バスで、まずは福島市に行き、福島市の知り合いのところで一晩泊まり、翌日の朝一のバスで南相馬入りするという道行だ。

『やっと帰れる』


倒れて『やばい!俺、死ぬ!』と思った日より7ヶ月ちょっとが経っていた。

ずっと帰りたかった南相馬。帰る事を目指して日々リハビリに励んだ。

『南相馬に帰る』という目標に近付いていると実感出来たからこそ、入院期間を楽しむ事が出来た。

通勤ラッシュの電車を避けようと、早めに家を出たのだが、どうやらワクワクし過ぎていたらしい…バスの出発時間の2時間以上前に、バスターミナルに着いてしまった。

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page