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アホの力 4-23.アホ、うきうきする

Image by Olia Gozha

交通事故的にお話会のワークショップが決まってしまった。


しかも対象は、病院スタッフだ。医者もコメディカルスタッフも事務員もみんなが参加対象。さて『やらせてくれ』とはいったものの、この時点ではどんな内容にするのか、どんな組み立てのワークショップにするのか、何も考えていなかった。一つだけ決めていたのは『楽しい場にする』という事だけ。

『南相馬の話も聞きたい』という病院からのオーダーもあって、2部構成という事になった。第1部は昼休みを使い、講堂で私が南相馬で行ってきた事を講演会形式で話し、第2部は夕方の業務終了後、病院スタッフを集めてワークショップを行うという構成だ。1部と2部で5時間ほど時間が空いてしまうので、同じ空気を保つ事は難しい。なので私の中では、1部と2部は別のイベントという風に位置づけた。その方が場をつくりやすい。


1部の後援は、パワーポイントを使ってスライドをつくり、それに合わせて私が話すというスタイルだ。開催日は7月中旬、準備期間は1ヶ月ちょっとだ。講演&ワークショップの準備期間としては短いが、何せ私は入院中。準備作業に時間を注ぎ込む事が出来る。


まずはその日から、講演会&ワークショップの企画書づくりを始めた。正式に病院に会を開いてもらうからには、企画書もきちんと作らねばという気持ちからだった。続いて講演会でのプレゼン用のスライドづくり。これがもう楽しくて楽しくて。病棟の談話室で、いつも夜遅くまで嬉々として作っていた。すると『こいつは何をしてるんだ?』とばかりに他の入院患者がパソコン画面を覗きに来る。中には高次脳機能障害を患っている患者もいて、何故か怒られたりしなから作業をしていた。


右手が使えなかったので、左手一本でパソコンを操作していたのだが、こうしてパソコン操作をする事自体が作業療法にもなるだろうという事で、右手もメチャクチャ頑張って動かしてキーボードを操作していた。すると、少しずつだったが、右手の指も動くようになってきた。そうなると、アホな私はますますパソコンを触りたくなる。

右手を動かしてパソコンを打つ事が、楽しくて仕方がなかったのだ。その楽しさからか、ますます講演会&ワークショップが楽しみになっていく。

この充実感、凄いな。


イベントのきっかけを作ってくれた理学療法士が、


『戸田さん、うきうきが止まらない感じがバレバレですよ』

と私をからかった。

でもそれは本当の事だった。


私のファシリテーター仲間から、


『病院内で、入院患者がファシリテーションに立ってのワークショップなんて、聞いた事が無い。恐らく世界初の事だ。』


と言われた。

それを聞いた私は


『うをっ!世界初なのか。そいつはいい!』

と、更にうきうきするのだった。

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