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第6章 サプライズ、カンボジアンパイロットデビュー

Image by Olia Gozha

元々ブレイクダンスで食べて行くことを夢に見ていたのだが、社会人を目の前にした僕は今度はパイロットに興味が湧きパイロットを夢に見て渡米した。



アメリカでは自家用機がある家が日本よりもある為、簡単に取れると考えたからだった。


アメリカに渡米後、パイロットの学校へ行き、本当に飛行機の免許は簡単に取ることはできたのだが、小さな飛行機しか飛ぶことができない免許だった。


やはり、大きな飛行機の免許を取るためにはお金が必要だった。しかし、すぐ帰国する気にもならず、どうしよっかなーと呑気にアメリカで暮らしていた。


そんな時に、当時のパイロット学校へ通っていた頃の友人から今度パーティーがあるから行かないか、と誘われた。

時間は存分に余っていた為断る理由もなくお邪魔した。


プールにシャンパン、ナイスバディなお姉様方。今まで画面越しでしか目にしたことのないようなアメリカンドリームパーティーが繰り広げられていた。


とりあえずパーティーを楽しんでいると、アメリカで大きな飛行機会社のお偉いさんがいた為、挨拶することになったのだが、その時はひとめ挨拶をして、パーティーを後にした。


それから数日後、携帯が鳴った。


知らない電話番号からの電話だった。


電話に出ても相手が誰だかわからなかったが、今度釣りにでも行かないかと、誘われた為誰だか分からないまま、暇だった為とりあえず行くことにした。


誰だろうと思いながら話を聞いていると先日会った飛行機会社のお偉いさんだということに気が付いた。


約束当日、特にこれといった会話をするわけでもなくひたすら二人で釣りをした。


また2週間すると、また釣りに誘われ、またこの日もこれといった会話をするわけでもなく、釣りをして過ごした。


僕から何を聞くわけでもなく、彼からももちろん何かを聞かれることもなかった。


そんな日々を2、3ヶ月繰り返していたある日。彼から、「君は本当にパイロットになりたいのかい?」と聞かれ、「はい、そうです。なりたいです。」と、もちろん答えた。


すると、「じゃあ○日○時にうちの会社に来てくれ。」とだけ言われた。


言われた通りに会社へ行くと、受付の人からこれにサインしてください。と、紙を渡された。


何だろうと思いながら読んでみると、それは雇用契約書の書類だった。


俺はいつの間にか夢だったパイロットになることになっていた。



驚いていると、拍手をしながらいつも釣りをしていた彼が入ってきて、一言


「Congratulations.」


と言われた。


まるで映画のようだった。俺はいつの間にかパイロットデビューを果たした。

釣りをしながら彼が何を判断していたのかは未だにわからないが、彼のおかげで念願のパイロットになることができたのだった。


パイロットと言っても、カンボジアの小さな村へ物資を運送するパイロットだったが、僕にとっては夢だった飛行機を操縦できるだけで嬉しい出来事だった。

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