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第2章 小学生の無賃旅行

Image by Olia Gozha


僕は、小学生の頃、旅行に行くことが趣味だった。


と、言ってもお金はもちろんない。


どうしても旅行がしたかった僕は、

入場券だけで、いろんな土地まで行く術を覚えた。


時刻表を見て、帰宅時間に間に合うように計算して、補導されない為に無人駅の場所も覚えた。

駅長さんが、切符拝見に来た時には無人駅から乗ったとすぐ答えられるように全て準備して旅に出た。


全てを準備してももちろん、乗り換えがうまくいかずに家まで帰れなかった日もあった。

そんな日はどうしようもないので、親に電話をして適当に友達の家に泊まると嘘をつき、ダンボールで寒さを凌いで知りもしない無人駅で野宿をしたこともあった。


当時はなんてことのないただの趣味だったが、

今となって考えると、こう言った経験をしたおかげで精神的に強く成長したと思う。


第3章 商売の始まり


小学生の頃、手のひらサイズのガムの自動販売機を作って初めての商売を始めることにした。


作ったと言っても、手のひらサイズの箱にお金を入れるところを切り抜き、その後ろにフィルムケースをくっつけてお金が貯まるようにして、あとは、ガムが流れるように中の構造を作っただけの自称自動販売機だった。


じゃあ、なぜ僕が自動で販売できない自動販売機でお金儲けができるようになったか。


まず友達に、


「ほら見て、ガムの自動販売機だよ。」


と声をかけると、ガムの自動販売機なんかなかったし、まして身近にいる僕が作ったとなれば、食いつきがよかった。


「え~!すご~い!どうなってるの??!」


と反応を示してくれる。

そうなればもうこっちのものだ。


ガムも1枚10円で、そんな高くないから皆好奇心で1回は試してくれた。


「10円試しに入れてごらんよ。」


と10円試しに入れてもらったと同時に後ろの切れ込みからバレないようにガムを押し込み、

下から流し出していた。


「え~!!すごーーーい!!」


みんなとても驚いてくれた。


7枚入りで50円のガムを1枚10円で売っていた為、7枚売れば20円の売り上げがあった。


実は手動の自動販売機もどんどん有名になるにつれて、

「本当に自動販売機なの?中見せてよ!」

と、疑う声も多くなっていった。


もっとみんなを驚かせたい!

その一心で、手動の自動販売機にモーターを装着させ、最終的にはお金を入れたら反応してガムが出る、本物の自動販売機とほぼ変わらないクオリティのものを作り上げることができた。


そのクオリティを上げたガム自動販売機で、高学年、低学年問わずに売り込みに行き、今度は学校から出て、違う地域まで行って


「見て見て!じゃじゃ~ん!ガム自動販売機!」

と人脈も広げて、


低学年からは「お兄ちゃんガムちょーだい!」と声もかかるようになった。


これが私の小学校4、5年生の頃の話だった。


お金が儲かって、人に喜んでもらえる


これが僕の商売の原点だった。

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