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嬉しい報告をしたはずなのに、結局それがいじめの原因になった話

Image by Olia Gozha

小学4年生の頃、私はクラスの女子のほとんどから「無視」されていた。何で無視をされはじめたのか、当時は全く分からなかった。ただただ辛くて、ただただ学校に行きたくなかった。それでも、私のココロのガラスは強化ガラスだったようで、割れそうになりながらも、決してココロのガラスは割れず、私は学校へ行き続けた。そのうち、「無視される時期」は終わり、私はまた、クラスに馴染んでいた。そして、その後、また他のクラスメイトが無視をされていた。

あの頃は幼くて気がつけなかったこと。大人になって親や周りから聞いたこと。無視された経験をここに書き記そうと思う。今まで、誰もいじめたことが無い、いじめを見たことがない、いじめられたことがない、そんな人に読んで欲しい。

小学校4年生にもなれば、女子には「グループ」というものが存在してくる。所謂、「よく一緒に遊ぶ子」。3年生に仲の良かった友達が転校をしてしまってから、私には特に親しい友達はおらず、その当時、私は成り行きで1番大きいグループに所属していた。そこで話題になる、「気に入らない子の話」。初めは男の子とよく遊んでいる、女子のグループに属さない女の子がターゲットだった。もともと女子のグループに属しておらず、基本男の子と遊んでいるため、一見分かりにくいが、授業で男女のグループを決めるときや、給食で大きな輪をつくって食べるとき、その子の居場所はつくられなかった。

私が無視された理由は、私がお母さんに安易に話した内容だった。当時はドッジボールが流行っており、私はグループの女子達に誘われて休み時間はドッジボールをしていた。特に私はボールを取ることも投げることも苦手だったが、なぜだかグループのリーダー格の子が毎回私をチームに呼んでくれた。私はとてもそれが嬉しくて、お母さんに話していた。が、悲劇はそこから始まった。私のお母さんが、リーダー格の女の子のお母さんに会った際に、そのことについてお礼を言った。リーダー格のお母さんはとても厳しい人で、その話を聞いたあと、リーダー格の女の子をこう叱ったらしい。「またあなたは出しゃばって。あなたがチームの子を選んでるの?」おそらくその次の日から、私は皆から無視をされるようになった。休み時間に遊んでくれる子はいない。私は外に出ず、教室にひとり、ぽつんといるようになった。先生は、少し不思議に思ったのか「どうしたの?外に遊びに行かないの?」と、聞いてくれたが、私は「教室の方が好きだから」と、笑って答えていた。「助けて」なんて言えなかった。「助けて」と言ってコトが大事になるのは嫌だった。また、大事にすることは状況を悪化させることだと、小学生ながら感じていた。それ以降は、先生は何も気にしていないようだった。グループ決めの時も、給食で大きな輪を作るときも、いつもの場所にわたしの居場所はなかったが、元々グループから外されている子と組むことが出来たため、客観的には問題が無かったように見えたと思う。結局、私のつらかった日々は、当時誰にもちゃんと気づかれずに、心配されずに、過ぎていった。結局、そのつらい日々から解放されたのは5年生のクラス替えで、そのリーダー格の女の子とクラスが別れてからだった。

いじめが始まる理由はほんの些細なことの場合が多いと思う。そして、なかなかいじめられていることを周りに言うのは難しい。一見、つらそうに見えず、笑っているあの子も、実はつらい思いをしているかもしれない。もし、無視されている子がいることに気がついたらどうするか。人によるとは思う。人によるとは思うが、私はあの日々、元々グループから外されていた子がいてくれて、とても救われた。都合のいい話ではあるが、本当にあの子がいてくれたからこそ、私は潰れずにいられた。だからもし、無視されている子がいたら、何も言わずそっと側に居て貰えるととても救われると思う。

無視された日々。この日々は私にとってとてもつらい日々で、もう二度と戻りたくない日々だが、この経験は間違いなく私を成長させた。ほんの軽く話したことが、日々を大きく変える可能性があること、笑っている裏でつらい思いをするひとがいるということ…。かと言って、いじめること、いじめられることは、決していいことではない。だからこそ、この私の経験が誰かの成長に繋がりますよう…。


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