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13/6/16

ちょっと大阪からママチャリで神奈川まで帰った話 第2回

Image by Olia Gozha

午前中に出発したのが良かったのか、快調にママチャリを走らす僕の頭はノープラン。


前夜に地図を見てみたのだが、さっぱりわからん。

何せページが飛び飛びで、全体を見たいと細かいところが見えない。もちろんグーグルマップなどそんな便利なものはまだない。

ズバリ、着のみ着のまま!!ただただまっすぐ東へ。


この時は、本当に何も考えずに地図上の平面な日本を眺めながら、


真っ直ぐ東に行けば最短距離じゃん♪


ぐらいにしか考えてなかった。そう!!!




アホなのだ( ̄ー ̄)




大阪府というのは日本でも2番目に狭い国である。

とは言っても、ママを乗せてないママチャリではそれなりに時間もかかる。だが、道はいい。流石は都会だ。

すすきやカヤなどが、道路まで勢いよく飛び出してきている田舎道とは大違いだ。


人と車こそ多いものの、スイスイとかき分けてグングン加速していく。


もしかして今日中に帰り着いちゃうんじゃないかと思ったほどだ。




午後3時を回った頃だろうか。いよいよ東大阪市というところまでやってきた。

ここが東大阪。。。

実は数年前僕は大阪に住んでいた。といっても行動範囲は梅田から難波あたりまで、東大阪なんて来たこともなかった。

のどかなところだな~なんて考えながら、ドンドンと進行方向に近づいてくる山を無視できなくなっていた。


そう!!かの有名な生駒山である。




大阪の夜景をここから見ると、とってもロマンティック(↑写真)

とか

正月暴走族が生駒向いて初日の出を見に行く


とか、色んな情報だけは耳にしたことある。地図上で見てもほぼ平地と変わらない感じの、凄く登りやすい山なんだと認識していた。


それがどーだ。目の前にそびえる山はちっとも平面ではなく、ドラゴンボールのカリン塔のように高くそびえ立って、ちっともロマンティックが止まらなくない。



「くそっ!!ダマサレタ...」



地図を一瞬恨みそうになったが、それはお門違いというもの。恨むなら




生駒山を恨むべき!!!←オメーだバカ



これはママチャリでは絶対登りきれねー!!!


仕方なく迂回することにした。何故ここで地図を開かなかったのかは疑問だが、何の迷いもなく僕は南下し始めた。そう!!山だからこそどっかで





谷間があるはず!!!


アホの子は自信を持ってドンドン南下していったww
しかし、待てど暮らせど山は終わりを迎える素振りがない。

このままでは、山越えが夜中になる!!!

勿論のことながら、装備はあくまで



彼女のうちから家へ帰る男の装備




「ライト」


なんて、飛行機飛ばしそうなイカした道具はどこの四次元ポケットにも入っていない。

なんなら四次元ポケットすら持っていない。



い...い..いかん!!!このままでは、夜行性の猛獣たちに蹂躙されてしまう!!!


高知の山の中で育った僕は、夏の夜の山の怖さを知っている。



とてもじゃないが、生きて帰れない...


そう感じ始めた午後5時。意を決して適当なところから山へアタック!!!




5分で力尽きる!!!



こんなもんこげるかぁー!!


斜度およそ50度はありそうな坂道。ちょっと盛ってますが気にせずながしてね。

夕方といえど真夏の西日はそれだけで、燃えれるほどに容赦がない。おまけに素晴らしいほどの傾斜に歩幅も狭まる一方。

体温が高く汗まみれ

歩くスピードが遅い

結構意識が遠い

蚊の格好の餌食


日暮れを待たずして既に蹂躙状態のアホ。



しかしながら、何とか踏ん張って踏ん張って2時間登りつめ、頂上付近で道に迷いながら、下った先に見えたのが。




おー!!!歴史の授業で見たことあるトコォォォ!!!!


俄然やる気が出た!!


だが、もー既に日が落ちていて今にもあたりは暗闇に包まれようとしていた。

もちろんノープラン。どこで泊まろうとか、どこまで行こうとか全く考えていない。

ただ、道なりに進んでいると




「法隆寺」

という文字が見えた。

おおー!!!歴史の授業で見たことある寺ぁぁぁー!!!

この時点で、今日のゴールはここでロックオン。地図も真っ暗で何も見えんし、どこへ向かえばいいのかも分からず、ただただ目の前の道を朦朧としながら我武者羅にこぎすすめた。



それらしきとこについたのが、9時を少し回ったところだった。


お祭りだろうか。ぞろぞろと浴衣姿の団体が駅の方に向かって長い長い列を作って歩いていた。皆楽しそうである。


フと我に帰って、俺は何をしているんだろう...


と意味のないことを思った。


そして、今からおうちへ帰って、お風呂に入って、ふかふかの布団でクーラーつけながら寝るんだろうなこの人達は...


そんな事を考えながら、薄汚れた男はもしかして


「どないしたんや兄ちゃん!?うちきて風呂でも入ってけ!!」


みたいな声でもかけてくれんだろうかと、淡い期待を少しばかり持ちながら、その行列の波を自転車を押しながら、逆に歩いた。

もちろんそんな声はかかるはずもなく、たどり着いたのが


猿沢池


という池の辺。どーやらコノあたりには沢山の池があるらしく、それぞれに個性のある見所の一つらしい。

もう精も魂も尽き果てていた薄汚れた僕は、そのまま池のトイレの前で横になった。



その晩2度目の蚊の蹂躙にあいながら...


「」

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