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13/6/14

三十路VIPPERが女だてらに突然ボクシングを始めた理由を笑うな!真剣だから!

Image by Olia Gozha

VIPPERからボクサーへ、突然のジョブチェンジ

半年前から急にボクシングを始めた私に、旧友たちは困惑の色を隠せなかったようだ。


「…なんでボクシング?」「ボクササイズじゃなくて…?」「え?週5で練習してんの?は?」


それもそうだ。至極まっとうな疑問である。なぜなら旧友たちの間で私は「インターネット大好き引きこもり内向的根暗のVIPPER」と認識されており、そのイメージは大正解である。ではなぜボクシングからは最も遠いクラスタに所属していた私が、ボクシングを始めたのか。

ドラゴンボールによって形成された思考回路


「舞空術を使いたい」


ドラゴンボールを読みに読んで育った私の思考回路はこうである。

「両親に確認こそしていないが、私はたぶん純粋な地球人である。従って、超サイヤ人に目覚めることはありえない。また、少年時代の悟空とクリリンのような過酷な修行をするには、三十路という年齢を考えると体力的に厳しい。天津飯は三つ目だから除外するとして、チャオズも顔色からしておそらく私とは違う人種である。また、マッド・サイエンティストに肉体を改造された記憶は無いので、こちらからのアプローチも難しい。ヤムチャはヘタレでダサいから嫌だ」


以上のことから舞空術を会得するにあたって、目指すべき人物はビーデルさんだ、と考えた。


ビーデルさんとは?

ビーデルさんをご存じない方に説明しておくと

  • ビーデルさんはミスターサタンの一人娘で、地球人である

  • 高校時代に悟飯と出会い、恋に落ちる

  • 悟飯に修行をつけてもらい、飛べるようになる


→つまり純粋地球人かつ女性で、ある程度成長してからでも、頑張って修行をすれば舞空術が使えるようなる


ビーデルさんは悟飯と出会うまで、ごく一般的かつ現実的なトレーニングをしていたようだ。スポーツジムにあるようなマシン&ダンベルで筋トレをしたり、空手や柔道の選手に稽古をつけてもらったりする様子が作中で描かれている。これなら私にもできる。カリン塔登らなくても近所のスポーツジムで修行すれば良いことが判明した。

当然、20年以上ロングだった髪も、ビーデルさんと同じようにばっさりとショートカットにした。


なぜ「かめはめ波」ではなく「舞空術」なのか

皆さんが日常生活を送る上で「物を壊す」必要性を感じた場面はそう多くはなかったはずだ。一方で「早く、楽に、快適に移動したい」というニーズは誰しもが持っているだろう。


とりわけ、私は酷い乗り物酔い体質だ。電車、バス、タクシー、新幹線、飛行機もちろんのこと、エレベーター、ブランコにまで酔ってはゲーゲー吐くような、超虚弱三半規管の持ち主なのだ。

人混みが苦手なのも相まって、これまでの人生で公共機関を用いた通学及び通勤を避け続けてきた。徒歩か、チャリしか無理なのである。

実は新卒で入社した、とある会社を1日で辞めたのも、満員の電車とバスを乗り継いで1時間半の通勤が苦痛この上なかったからである。舞空術を会得することにより快適な通勤手段が確保されれば、こんな私でも就職も可能かもしれない。


こんな自分を変えたい。

よし、頑張ってみよう。


ちなみに空手か柔道という候補もあったのだが、google先生にお伺いを立て、近所の道場のHPを見たところ「茶髪/ピアス厳禁」という一文があったので、やめた。



2ちゃんまとめサイト閉鎖騒動で、生き甲斐を見失う


実はボクシングを始めたもう1つのきっかけは「まとめブログ騒動」であった。2012年初夏、2ちゃんねる管理人ひろゆき氏より「2ちゃんねるまとめブログの是非云々」の声明が発表された大事件を皆さんは覚えておられるだろうか。名指しで、まとめブログに2ちゃんねるの投稿を引用することをを禁止したという、インターネット界の歴史を揺るがした、アレだ。


以下は2012年6月1日のツイートである


「まとめサイト無くなったら一日何をして過ごせばいいのか」


あの時期の私は完全に無職で、起床時間のうちの半分はまとめブログ、残りの半分はリアルタイムのスレに張り付いて過ごしていた。これは誇張でもなんでもない。


「生きてる意味が無くなる」


凄まじい危機感が私を襲った。マジでどうしようかと思った。


どうしようかなーどうしようかなーうーん、うーん、うーん…そうだ、ボクシングをしよう!

(ここで数ある暇つぶしの手段の中からボクシングを選択した理由は、ドラゴンボールのくだりから私が独特の思考回路の持ち主であることを考慮して、各自で適当に解釈してください)



こんな私でも、2ちゃんねるを卒業できました!

みなさんに是非訴えたいのが「することなきゃスポーツしとけ。スポーツをして悪いことは何もない」である。

明るくなる、友達できる、身体も締まる、おのずとオンラインの時間が減る!完璧!良い事ばっかり!


…良い事ばかりではなかった。ハマり過ぎると大変危険で、人生をこじらせるというデメリットがある。私の場合、思い込むと一直線な性格と、2ちゃんねるを辞めたためにできた有り余る暇が災いして、週5でボクシングジムに通い始めることになった。三十路のくせに中学生の部活並のハードワークである。


さらに「アマチュアライセンス取ることに決めた!」とか言い始めたから始末におえない。仕事を放り出し、結婚も放り出し、いい年した女がボクシング漬けの日々である。もう人としてダメなのは重々自覚している。


最後に。舞空術の進捗


まだ全然浮けていない。

ボクシングを始めてから知ったことは「生身の人間て意外と非力だ」ということだ。


あれほどまでに作中で馬鹿にされていたミスターサタンでさえ「世界チャンピオン」なのである。


実はうちのジムには元日本チャンピオンがちょこちょこ顔を出していている。

そして大変幸運なことに、ご指導頂けたり、元チャンピオンのシャドーを間近に見ることができる機会に恵まれた。

チャンピオンのシャドーは圧巻だった。凄まじいスピードでキレッキレに動く元チャンピオンを目の当たりにして、私は途方に暮れた。


「え、あ、えーっと、ミスターサタンてこの人より強いんだ。へぇ〜‥」


プロの人がゲーセンで叩きだしたパンチングマシーンのスコアさえ、ミスターサタンには遠く及ばないことを知った。ひどく絶望した。


少年の心を持ったBBAは少し大人になった

現実を知って少し大人になったので、一旦舞空術は置いておくことに決めた。目標を5ヶ月後のアマチュアライセンス試験に切り替え、1つ1つ確実にクリアしてから、舞空術の修行に入ろうと考えている。


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