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Santiago de Compostela巡礼の旅(3)【素晴らしき日々】

Image by Olia Gozha

ギィ先生は公認のサーフインストラクターだけあって教えるのがうまい。パドリング、テイクオフを実現しやすく改善してくれる。

真冬のビーチにはほどよい数のサーファーとまばらに散歩する人々が歩いている。まばらといっても閑散とした感じはない。なにせ日射しが強烈だ。

    ビーチでも町でも雑種っぽい犬とよく出会う。昔の日本みたいで残飯をうまそうにたべている。そのまんまな感じでひとなつこい犬たち。すぐによってきてじゃれついてくる。
海に入る前の準備運動をしていていたら犬がそばにやってきて足元をうろつく。 口笛で呼ばれると名残惜しそうな顔で駆けていく。

ギィ先生とはサーフレッスンが終わってもだいたい共に過ごしている。お昼御飯は、ギンシュの丘にあるレストランでいただく。Menu(メヌゥと発音する)というサービス定食が良い。7.5ユーロはおとく感がある。テーブルに着くとまずパンとオリーブが運ばれてくる。そのあとに肉か魚かと、飲み物を聞きにくる。ワイン、ビール、コーク、ジュースに水、なにを頼んでもメヌゥに含まれている。ワインはピッチャーで飲みきれないくらい運ばれてくる。食後にはエスプレッソか紅茶またはカリオカがついてくる。ドリンクのおかわりとスイーツは別料金になる。

二階建てレストランの屋上でよしずの日除けがある場所をギィは選ぶ。なにかと好みが似ている。毎日、雲ひとつない大快晴。白壁とオレンジ屋根の家々が濃い緑と赤土の丘に並んでいるのがその席から見渡せる。コントラストがなんとも美しい。「何年住んでもこの景色の美しさにはっとするよ」とギィが云う。

カフェの前には椅子がある。ひなたぼっこのしわの深い老人がいつもいる。薄目をあいてじっと座っている。

途中風邪を引いて高熱、1日寝込んだけど、三日間ギィのサーフレッスンを受けた。最終日、ギンシュビーチでのサーフィンはこれまでのなかでも最高のサーフ経験のひとつとなった。

沖にでていい波が来るのを待つ。急に盛り上がる波の前側の斜面にサーフボードを合わせてテイクオフ。

   広い水の滑り台を降りてゆく。 子どもごころを持ち続ける大人ならきっともう1度これを味わってみたくなる。 
  滑りだしは胸の高さくらいの盛り上がりだけれど、間も無く頭の高さを起えて波のカールが始まる。すぐそばにある水の壁。指をのばしてと触れてみる。

巨大なカールの斜面を滑るのはダイナミックかつ繊細な出来事だ。だからサーファーたちは互いのライドを讃えあう。

ギィはサーフィン以外でもいろいろ世話をやいてくれる。私も日本では世話好きだといわれるほうだが、ギィは別格に凄い。

   テントのクッションの心配から三食の飯、洗濯。アレルギーの薬(対花粉)、車での買い物や市内観光、夜の町まで連れ出してくれる。果ては帰りの空港送りの心配までしている。こちらからなにも頼んでないのにいつも、「Shin(真一)出掛けよう」が飛んで来る。

15歳になる息子や嫁さん、そして両親も近所に住んでいる、友達も多くて忙しいだろうに実にありがたい。ありがたい限りだ。ギィの紹介で村内外に友達ができた。知り合いが一人もいない初めての国に来ている気がしない。

風邪をひいて全身が固まってしまったのでマッサージセラピーを受ける。これもギィの進言と手配による。サンドラさんという35歳のセラピスト。バリ島でマッサージを受けたことから「私もこれを人にした生きたい」と決めたそうだ。すごくスピリチュアルなセラピーだった。サンドラさんはコンゴの人権保護に取り組み、4歳の娘を一人で育てる。夕方、娘を迎えに行く前にと海岸線をドライブしてギィの家まで送ってくれた。

1月12日快晴

ギィたちと別れのときが来た。Guinchoには6泊した。近所の婦人がチョコケーキを焼いてもってくる。親しくなった人たちや犬と記念撮影をして出発。多くの場合、もう会うことはない。だから人生の幸なることを願いあう。ハグをしながら願いあう。Adeus!。さよならだ。アディウスと発音する。

つづく


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