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2-5.アホ、巻き込まれる

Image by Olia Gozha

『南相馬ダイアログフェスティバル』の日、会場にある男が来場者としてきていた。


その男は、南相馬の人とは明らかに違っていた。ヨガでもしているのかと思えるような体つきに、少しサイケデリックな服を身につけ、ただならぬオーラを身にまとっている。


会場で一瞬見ただけで

「この人何者だ?」


と思え、その姿が頭に焼き付けられるほど、強烈な印象を持った男だった。

その時はそれだけの関わりだったが、フェスティバルが終わった翌日、私のいる『まちなかひろば』の『べんりDaDo』にその男はいた。

その男は『アリー』と名乗った。

話を聞くと、震災後南三陸で復興支援の市民活動に関わっていたそうだ。その活動がひと段落ついたので南三陸を離れ、何かして南相馬に来たという。そうしたらたまたま『南相馬ダイアログフェスティバル』がやっていたので、参加してみたらしい。

どういう活動をしてきたのかは分からなかったが、どうやらこの男も南相馬に惹かれたようだ。

その後アリーはしばらく『まちなかひろば』を根城にし、南相馬に滞在する。私はこのアリーと行動を共にする事になる。


それから2~3日経った頃だろうか。アリーが、私と同じく南相馬にダイアログに参加していた、通称ザックと共に私のところにやって来た。

そしてこんな事を話し始めたのだ。

『子どもの遊び場が無くて困ってるんだろ?だから遊び場つくろうぜ。』

…こいつらは何を言ってるんだと思った。遊び場をつくるって、どこにどうやって?

聞けば、こういう計画らしい。


“学校が春休みの間、屋内の広い場所を借りて、そこに子供達を自由が遊べる事が出来る遊び場をつくる”


更に話を聞いていくと、もう既に遊び場をつくる会場のアタリもつけてあって、そこを借りる算段も役所としているとの事。


何だこのスピード感!


アリーはこの2~3日の間に、市役所のキーマンと繋がり、イベントの企画をつくり、会場を借りる交渉をし、おまけにイベントを市と共催にする(これは非常に異例な事)ところまで事を進めていたのだ。

その上で私に『人手が必要だから手伝え』という事を言いに来た訳だ。

今すぐ手を着けなきゃならない大問題があって、しかもここまでお膳立てしてもらっておいて、『私はやりません』なんて返事は有り得ないでしょ。しかもとてもオモロそうな話だ。




オモロくて問題解決に取り組めて、しかもこうした企画を実現するためのノウハウも学べる。

これ…誰がやるって…自分しかいないんじゃねえか。

ここでも『アホ力』全開の『勘違い』が発動する。


ここで『遊び場をつくる』という新たなプロジェクトがはスタートしたのだが、この時のメンバーはアリー、ザック、私の人。全員アラフォーのおっさんである。しかもザックと私に至っては独身で、子供と触れ合った経験も親戚の子供と遊んだくらいだ。


しかも、この話をしてる時点で、イベント開催をもくろむ学校の春休みまで残り時間は2週間。

ホントにやれんのか?

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Image by Jukka Aalho

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