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母親になる覚悟は、やるしかないと追い詰められたときに出来た話

Image by Olia Gozha

私は緊急帝王切開二回で息子を産みましたが、一回目は陣痛15時間の子宮口三センチの胎児の心拍数落ちてからの~緊急帝王切開でしたので、陣痛の痛み、1分感覚まで体験しております。



 あの身体を引き裂かれるんじゃないかという、臓器が伸縮する痛みというものは、激痛で、特に冷え性のひとほど、痛いかもしれません。なんかもう、やるしかない!って、あのときの覚悟で母親になるのだろうか…里親や養子をもらう人たちは、また別の覚悟をするのだろうけど、取り敢えず私の場合、あの壮絶な痛みで母親になる覚悟が出来たと思う。




 私は高校生のとき、祖父に暴言を吐いた翌日に、祖父が事故死するというショッキングな経験を持つ。暴言吐いた日の夜に謝罪していて許してもらっているのだけど、タイミング良すぎて、自分の暴言で精神的に祖父を傷つけて事故死に繋がったんじゃないかと、半年間、自分を責め続けた。



なので、どこか、自分はあのときに祖父じゃなくて、自分が死ねば良かった、と本気でおもっていた時期がある。



 優しくて、人望のあった祖父が亡くなり、友達少なくてどうしようもない私が生き残って。しかもそんな優しい祖父のいつもなら流せるちょっとしたお節介に激怒した自分。



 友達も多くて、人望もあって、仕事も出来て、そんな優秀な祖父の孫なのに、私は同じように出来なくてイライラしていて、拗ねていた。孫のなかでも私は出来損ないだと思っていたから、そんな私のことを心配する祖父の優しさが重くて、ほっといて欲しくて、酷いことを言ってしまった。



 そのときの、祖父のショックを受けて、顔色から血の気がひいて、顔が強ばり、「そうか、じいちゃん悪かったな」と寂しそうに呟いたのが、今でも忘れられない。あんなに大好きな祖父なのに、なんであのとき、あんなに私はイライラしていってしまったのかもわからない。


 

 端からみたら、人望ある祖父にどうしようもない私が嫉妬して八つ当たりしたのが暴言でしかない。



 

 母親になって、子どもを育ててみて、私もあのときの祖父のように息子にお節介にもああしろ、こうしろと、自分が出来なかったことを、子どもに苦労させたくなくて言ってしまう。





 そして、あのとき私が祖父に吐いた暴言を既に5歳になる長男なら言われたとき、私も祖父のように血の気がひき、しばらくショックで、食欲も落ちた。



 大好きで堪らない息子から、暴言いわれると、こんなに心が切り裂かれたように痛いと、身をもって体験する。






 親とは

なんなのだろう。

子どもは、私のからだの中から出て来て分身のように感じるけど、別の人間で、人格があることをいつも忘れてしまう。




わかったようにしているけど、結局、自分が苦労したことを子どもにさせないように先回りして、習い事させたり、教えたり、友達作らせたりして




 そして、その子が成人式で自分の思うような、大人になっていたら、それが育児なんだろうか。




 とどのつまり、人間というのは物事を自分の見たいようにしかみない。相手の気持ちなんてものは見えないから、心理学やら推測やらしかできないし、相手の心に寄り添うといいつつ、結局、自分の気持ちによせたように考えていく。人の気持ちはこういうものだ、と自覚していないと、きっと自分が自分の価値観というフィルターを通してしか、物事をみているということさえ、忘れて、自分の都合よく解釈していくのだろう。



 もちろん、それで感謝する子どももいるだろう。だけど、大人になって、これは親のエゴで、私の気持ち無視してた!って大人になってから反抗期がくる子も、中にはいるのかもしれない。





 子どもが成人して巣だって、全力で子育てして、いろんなことを子どもに注ぎ込む!そこは、いい。





 「子どもの気持ち」

それが、一番、大切な気がする。そこが育児の基本のような気がする。





 「母親」は、「仕事」のような気がする。ママ友達は、仕事仲間というか、子どもの友達繋がりの知り合いなので、自分の好き嫌いじゃなくて、子どもの好き嫌いに合わせないといけないし。




 子どもに、私は母親にしてもらって、たくさん、子どもから学んでいることが、ある。




 母親の覚悟なんてもの、私にはまだまだ足りないのだろうけど、育児が一段落したとき、振り返ったときに、私は、よく頑張っていたよね、と自分に言えるような、そんな母親になれたらいい。




 そんな母親に、なる。

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