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【重要】介護している時には、気軽に聞ける介護職・医療職の人がいたほうがいい

Image by Olia Gozha

私は、この十数年以上、家族の介護に携わり、直近5年で3人の家族を亡くしました。

タイトルの内容は、家族が亡くなってから人に教えてもらったことなのですが、絶対いたほうがいいです。何よりも心強いです。


詳細を書いていこうと思います。



私は、看護師です。


介護中には全く自身で理解できていなかったことなのですが、周りに介護職や医療職のいない人にとっては、

「なるほど。そうか!」

と思ったことがありました。


なぜ必要か?


まず1つは、介護に関する情報が得られます。

専門家なので「この場合、どうしたらよいか?」の答えをたくさん持っています。

介護に関する情報は、研修や勉強会などで聞く機会はあっても、実際に自分が介護に携わらない限りは漠然としています。

また介護される人の状況が千差万別なので、一般的な情報では到底足りないです。

ネットで調べる方法もありますが限界があり、実際に専門家に会って話したほうが、状況に合ったアドバイス、選択肢がもらえます。

もし周囲に専門家がいなければ、ケアマネージャーなどかかわった人と実際に細かく話をしていったほうが良いと思います。


そして2つめ。これが「深い」です。

介護職や医療職であれば、介護されている人がその後どうなっていくかがわかります。たくさんの人を見てきているので。悲しいことですが、どのように衰えていくのか、どういう状況になったら危ない状態なのかなどです。

この「経過」を理解することで、介護する人の「受け入れ」、「心の準備」ができるのです。


介護している人が家族を亡くした時によく思うことが「後悔」なのだそうです。

「もっと自分にできることがあったのではないか?」

「もっと早くあの時に〇〇をしていたほうが良かったのではないか?」

介護している最中も、とても大変な思いをされているにもかかわらず、亡くなって「後悔」があるともっと苦しい思いをされると思います。「後悔」の思いほど、つらいものはありません。


私は介護の専門家ではありませんが、病気の経過は把握していました。

例えば、祖母も母も「胃ろう」を造設したのですが、祖母は高齢なので「胃ろう」まででした。

しかし母の場合は、まだ若く、祖母が亡くなってから間もなく「胃ろう」では栄養を吸収できなくなる状態になってしまったので、主治医に首から高カロリー輸液を血管に入れる「中心静脈栄養」をすぐにお願いしました。


このように近くに気軽に話せる専門家の人がいてくれると、その後の「経過」や次にうてる「手段」がわかり、検討することができるのです。

ご親戚などに「医師」がいらっしゃるのであれば、とても心強いですが、なかなか知り合いの医師であったりすると、それほど気軽には話せないのではと思います。

「経過」や「手段」がわかることで、延命治療などを施し「手を尽くした」、「やりきった」という思いがあれば「後悔」は少なくなるのです。


母は、現代の医療では治療法の無い脳神経の難病疾患でした。

亡くなったのちに知り合いの医師から聞いた話ですが、この病気の場合、普通は家族の人もなかなか気づかず、受診した時には、余命幾何も無いケースが多いそうです。

私は、初期の症状から脳神経系の病気だとわかったので、診断名がわかるように検査入院させることができました。まだその時は、日常生活ではほとんど問題なく歩けて身の回りのこともすることができていました。診断名がついてから6,7年生きることができました。

病気がわかってからも母と長く過ごせました。そして徐々に受け入れていき、亡くなった時には、「やりきった感」がありました。「後悔」は細かくは少しはありますが、それでも大幅に少なかったと思います。


繰り返しになりますが「後悔」ほど、つらいことはありません。

現在、介護されている方は、気軽に話せる専門家の知り合いをつくったほうが良いです。


そのほうが少しでも家族の負担が少なくなります。


介護されている方は、先が見えず、大変な思いをされていることと思います。

残念ですが、いつか「お別れ」が訪れます。

少しでも負担が軽くなることをお祈りしています。



ご参考まで。バックナンバー、  

    「今、介護をしている人へ。これから介護する人へ。」

もご覧頂けたらと思います。







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