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マレーシアから日本の大学への留学生で、大学の成績トップで学内のコンテストでは優勝。マレー語が母国語だが、英語も日本語も完璧。おしゃれでキレイで明るくて、周りには常に人がいる。そんな尊敬する先輩がいた。その先輩は日本の大学を卒業後、シドニーの大学院に進学した。その先輩を訪ねてシドニーに行き、3日間を共に過ごした時の話。シドニーに旅行に行くから、時間が会えばお会いしてもらえないかと連絡を取ったところ、先輩の住んでいるアパートに泊まりに来ていいよと言って下さった。会えたとしてもせいぜい1日と思っていたら、3日間受け入れてもらえるとのこと。なんて心が広い人なんだと思った。そして私は大学で先輩と交流のあった数たくさんの人を訪ね、今度先輩に会いに行くからメッセージを書いて下さいと頼んで回った。その時日本は冬で、大学でも珍しく雪が深く積もっていた。そして私は真夏のシドニーに着いた。先輩はバスで駅まで迎えに来てくれた。先輩に日本のみんなのメッセージを渡したところ、感動して喜んでくれた。そこから先輩のアパートに向かった。先輩は5人でシェアしていた。5人ともシドニーの大学で留学しているマレーシア人女性だった。自分だけ日本人で文化も言葉も違いなんだか申し訳ない気持ちになったが、みんな温かく迎え入れてくれた。先輩はシェアハウスの1人1人にも優しかった。たとえ小さなことでも誰かが成功すれば、「i'm poud of you (私はあなたを誇りに思うわ)」と言って心から祝福し、人生相談も親身に何時間も聞いていた。1日目は先輩の運転する車に乗って、先輩の大学に行った。私の訪ねた時期はちょうどo-weekという日本で言う新入生歓迎週間を実施しており、様々なサークルがブースを出していた。アニメサークルがあり、流暢な日本語を話している人がいた。先輩は「日本語上手ですね」と日本語で話しかけていた。先輩は相変わらず顔が広く、到るところで声をかけられていた。そして1人1人に気を遣い、愛を持って、あなたに会えて嬉しいですという気持ちを込めて接していた。一旦アパートに帰り、夜ご飯を食べた後、学内で映画鑑賞上映があるとのことで再び先輩の運転する車で大学に戻った。映画鑑賞の後はシドニーの夜景をバックに写真を撮れる場所に連れて行ってもらった。「京奈ちゃん、かわいいね」と言いながら、色んな美しい景色をバックに先輩は写真を撮ってくれた。そしてアパートへの帰り道では、警察官が飲食運転の検挙をしていて車をとめられた。(もちろん先輩は飲食運転はしていない)そんな警察官に対しても先輩は労いの言葉をかけていた。2日目はシドニー観光に連れて行ってくれた。シドニー市街地の有名なところや美味しい店に連れて行ってくれた。先輩は聞き上手で、私が大学生活で楽しいこと、仲良い人、これから進みたい道、色んな話を私を受け入れながら聞いてくれた。そして先輩の家族の話、日本やオーストラリアに留学したことへの思い、どちらの国にも留学出来て好かったと思っていること、マレーシア人のたくさん友達1人1人に心のこもったメッセージとオーストラリアのお土産を送った話などを聞かせてもらった。そして3日目は車を3台レンタルして、先輩とシドニーで仲良くしているマレーシア人の男女男性10人と一緒にシドニーのブルーマウンテンや動物園に連れて行ってくれた。私のためにわざわざ最高の観光が出来るように1日アレンジしてもらい、ただただ感謝しかなかった。そしてその日の晩にお別れした。別れた後は涙が止まらなかった。先輩の愛が大きすぎて、心がめちゃくちゃ動かされ、またそんな先輩ともう会えないのかと思うと寂し過ぎて泣きまくった。先輩はこれだけでき上がったマインドを持っているから、様々な成果を上げてきているのだろうとも思った。そしてこれから自分も溢れる愛を他人に与えるような人間になりたいと心底思うようになった。あれから4年以上経つが、今でも心が荒んだり、人間関係が上手くいかない時は先輩を思い出して、もっと愛を持って生きようと思い元気を取り戻している。先輩本当にありがとう。
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