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もう、いい加減 ふり では生きていけない 自分の纏った仮面と鎧の重さに 勝手に潰され音を上げただけのこと 愛してる、ふり愛されている、ふり幸せな妻の、ふり良き母の、ふり喜んでいる、ふり楽しい、ふり気持ちいい、ふり満たされている、ふり大丈夫な、ふりこれでいい、ふり、、、 いつから、どこから 何を守ろうとして こんなにたくさんの、ふり をして 本当は何を言いたくて 本当は何をしたくて 本当はどうしたら気持ちいいのか たくさんの、本当は、を押し殺し 隠してきたもののあまりの蠢きに 雄たけびを上げ、蓋が外れ 気づいた、この時 あまりの、果てしなさ あまりにも遠く、暗く どこまでこの闇が続いているのか 底が見えない 暗い、内側の闇のような穴に 開けてくれ!! 見て!聞いて!気づいて! 知ってよ!感じてよ!! 押し殺してきた自分の声が 静かな熱量をもって そこに蠢き続けていたのかと 途方もない、手に負えない ぞっとしたのだ 本当は、など 一度でも、一言でも 言おうとしてしまったら どれから言えばいいのか何からやればいいのかどこから手を付けたらいいのか まったくわからなくて 開けてしまったことを後悔するような さぁ、、なにから終わりにしたらいいのか、 と 元旦の朝は、雄たけびを上げた私に お前、やばいんじゃない と薄ら笑いで、ついに精神病院か、と 馬鹿にされただけで そのあとは決まっていた通りの予定を 近くの氏神様へお参りに行き家族で、夫の運転で都内へ向かう その道中もずっと 一度強制リセットされたように何も感情のわかない静かな状態で 淡々と、自分の内側に目を向けていた この人とは別れる もう、一ミリの我慢もご奉仕も、しない もう、何の ふり も、しない もしかして、まだ何か やり直す方法があるのでは、などと もつれた感情に足を取られている場合じゃない 何年もやってきて結果がこれだ いい加減、やめていいんだ 私がこのまま、生きるのか 死ぬのか それまでの、日々がむしろ死んでいたのだ だからこそ、生きると、叫んだ 生きたいんだ 私は 私の生き方で 静かに決意を固め家族みんなで、実家へ行った 実家の家族の前で それまで演じていた 幸せ家族 上手くいってる夫婦、のふり を その日から、私がやめた 淡々と接し、気を遣わず 夫の発言をフォローもせず浮いたまま放置し 一切目を見ず、顔を向けない どんな小さなことでも 近くに座って会話に気を配りながらお皿をとる水をくむおかずをとってあげる 夫のために動くことを その日から、やめる こんなことが、めまいのするほど恐ろしく でも内側の決意が 私の背中を押し しっかり立たせ もう絶対に、昨日までの私には 戻らない ひとつひとつ くさびをうつように 一歩一歩を積み上げる 生きる道へのはじまりだ
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