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魂の叫び(1)

Image by Olia Gozha

冬になり、年末が近づく 夫の年末年始休暇が始まる 休暇で家に居ることになる数日前から 夫は一段と機嫌が悪くなるのだ悪くなるというより、かまってほしくて拗ねる 休暇を、家族と楽しく過ごしたい この期待があると、態度は裏腹に楽しく過ごせるのか、試す言動が増える  お前は、夏に浮気が発覚した時毎日SE Xすると誓ったのに 約束を破って、今は毎日やらせていない と、怒り始める。   これをこじらせると、明け方までぐずぐずと拗ね わざと、私や子供が眠れないように大きな音を立てたり物を投げたり、壁や床を殴る これが本当に面倒くさくしかも、毎日家に居るのだから夜中に拗ねたままでは、 翌日、子供たちに当たり散らす  なので、休みに入るとS EXさせたほうが、楽、だといつもいつも、そうやりすごしていた  生理になった、と言うと 口でできるよね と当たり前に返ってくる  腹の底から軽蔑しながら こんなことを愛と呼ぶのかとしらけながら 繰り返す日々   大晦日 その日も機嫌が悪く 拗ねから始まり、性処理までの流れが3時間そこからかれこれ一時間近く口や、手で、性の処理に付き合い 体も心も鉛のように重く最悪な気分を溜め込んで それでも、耐えたのは 元旦を、明るく迎えたい実家の家族の前で平和な家族を演じるため 機嫌よく、寝てもらわなければいけないのだ。 私の吐き気をこらえてでも。  明け方、4時過ぎにようやく終わり 少しだけ眠り、元旦の朝を迎えた。    2017年 元旦 夫は機嫌よく起きおせち、お雑煮をみんなで食べ 平和に、元旦の朝のテーブルにつけたことで私は安堵していた。 一時間、咥えたのだから。機嫌はよくて当たり前だと。  家から数分の、氏神様へお参りしそのまま、都内の私の実家へ向かうのが例年の流れ。 朝食を片付け、出かける支度をする。  毎年、お正月はわたしの休暇で子どもと三人で、実家に泊まるのが何よりの楽しみだった。 友達と飲みに行ったり、昼間買い物をしたりゆっくり羽を伸ばして、、  支度をしながら会話をし あ、私たちいつも通り、何泊かとまるよ~と 当たり前の顔で機嫌よく答えた、直後  はぁ~~~  と、背後でため息をつく夫。  突然、一気に空気が変わる  聞いてないんだけど??と 機嫌を損ねて、怒っている  え、、、でも、、 毎年のことだから、、 言わなくてもわかってると、、  答える私の言葉を遮るように いくつかの嫌味と、なにか言葉を発し  要するに、私たちが泊ってくることが 気に入らないのだと、 怒っている、 らしい、、、 、、、、、、、 めらめらと、 頭に、血が上る 目の裏が真っ白になり 視界がチカチカと霞む    あんなに、、寝ないで、毎晩拗ねに付き合い機嫌を取り明け方まで咥えたのに、、  今日ぐらい、、 お正月ぐらい、、 なんで、、  なんでこんな、、  怒りをおさえ、過呼吸になりながら どうにか、言葉を発すると  とても、冷たい 「嘲笑う」という言葉の お手本のような、顔で   ぜんぶ、お前が、悪いんちゃう?   と、吐き捨てられた  そのあとも、何か言葉が、続いていた  でも私は おぼえていない    うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ------------ あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ---------- うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ--------------- ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ---------!!!!!!!!!!!   からだの、底から 腹の、底から どこからこんな声が出るのか ちぎれるように からだが避けると思うくらいに  怒りが、体から噴出し 体中のすべてが、痛い  動物の咆哮のような、うなり、喚く、 聞いたことのない自分の声が 溢れ続けて止まらない  体をくの字に折り曲げて喚き 手も、足も、暴れていた  夫は微動だにせず冷ややかに見下ろし 次男が私に取りすがり泣きながら、やめて!やめて!と止め 1階にいた長男は何ごとかと、上がってきて なにもできず私を見ていた  、、、声が止まり わたしは放心状態で、 泣いている次男を抱きしめながら  頭の芯だけはとても静かに  テロップのような文字がうつっていた   「終わりだ」    この人といるのは、終わりだ  我慢をして自分を殺すのは、終わりだ     こんな生き方、もう終わりだ     わたしの、魂の叫びだった 

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