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沈みゆくなかで(3)

Image by Olia Gozha

バレたからには

こんな騒ぎになったからには


もう、ここには居られない


今後の身の振り方を考えなきゃ、、


階段に座り込んだまま、考える



考えると言っても

長男は、引越しも転校もしたくないだろう

一年後の夏の林間学校を

何年も前から楽しみにしていたし

何より、幼馴染みのように

親しんできた友達が、沢山いる


私の都合で、それを手放せなんて、、


行く先だって、都内の実家しか浮かばず


親がふたりで住むくらいの間取りの

あの家に

押しかけても、迷惑なだけだ、、



考えたところで答えは出ず


ここに居たいのか、居たくないのかという


自分の思いではない


家族や、周囲の、状況に思考が飛び


何も結論は出せない



この近くで、団地でも入れたら

それでとりあえず

何とかなるのかな、、



とりとめもなく考えていると


夫から、帰る、と電話



お前な、ここに居たかったら

これから毎日


俺とS  E Xしろ


嫌って絶対言うな


毎日必ずすると約束したら


このままここで暮らしていい



と。


私の気持ち、ではなく


みんなが上手くいくにはどうしたら


と考え頭を抱えていた

そのタイミングで



俺の性的要求を拒否するな


という、条件つきの、許し



はぁ、


それで済むなら


そうします




それが、私の答えだった。




夫は、私より一回り年上だったけど

付き合い初日から

溢れんばかりに性欲を持て余し


毎日でもやれる


情熱的なS E  Xを毎日したい



と、本当に

有言実行したい人だった


わたしはさすがに、それには付き合えない

そもそも そんなに

性欲ないし、、


と、断り、避け

極力回数を減らしたかった




そこに不満があった夫は

この機を逃さず


自分の願いを叶える

チャンスに使った




こんな事になるまで

よその男にフラフラ気を移すまで

追い詰めたのは俺も悪かった



会話も、増やそう

家事も、協力する

お前の夢、やりたいこと

資格を取りたいなら、叶えていい

親父も施設に入れて

この家から、出すから



俺と一緒にいて

もう一度、やり直してくれ


その為にも毎日


S E  Xさせてくれ

これは絶対断るな


これだけ、守ってくれたら


俺が必ずお前を守るから

昔のように頼れる男に戻るから


チャンスをくれ、と




私の願いは、なんだったろう、、




そんな事も、どこかへ


霞むくらい


わたしは、私を、見失っていた




ただ、家族が望む形で

今のこの暮らしを存続できるなら




私が、受けて立てばいい



それが、私の受ける罰なんだ。



すべての条件をお互いのんで


やり直すことに、した




この時のわたしは


ぺしゃんこのまま、これを背負うことが


これから先私の生きる


戒めの道なんだと、


深いあきらめとともに、受け入れた。


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