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この頃から、知らない女の人が家に来るようになりました。
家に来る女の人は何人もいて、保育園の先生が来ることもありました。女の人が家に来ると、僕は保育園のような所に連れていかれます。それは夜中でもです。女の人が来るたびに父はこう言いました。
『この人が、新しいお母さんだからよく覚えておけよ。』
”お母さんって1人じゃなくて何人もいるんだなぁ。”
僕はそんなことを思っていました。 父の休日の過ごし方は、女の人と会っているか、パチンコ屋に行くこと。この2つがほとんどでした。パチンコ屋は朝から晩までいることがほとんどで、僕はだいたい『どっかで遊んでろ』と言われて外に出されます。 一人外に出されてもやることがない僕は、近くの公園とか川ででぼ~っとして過ごすことがほとんど。 つまらないなぁ・・・遊園地に行ってみたいなぁ・・・お腹空いたなぁ・・・お母さんなにしているんだろう・・・弟のいる天国ってどんなところなんだろう・・・ 考えることはいつもそんなことばかりでした。
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