top of page

9月の1話 ボス帰還

Image by Olia Gozha

ボスがバカンスから明けて、私は自分の素晴らしく修正された論文をじゃじゃん、と見せたかったが、それは叶わなかった。  ミーティングのとき、ボスに言われた。「あれもこれもと欲張ってはダメだ。自分で何か分析する基準を作るんだよ。何でもいいんだ。それが君のオリジナリティだ。今が、まさにトレーニングする時期なんだよ。」  私は、考えた。初めて、こんなに深く考えた、というくらい考えた。何を基準にして説明したら、意味のあることが言えるだろうか? どのように言いたいことを分けたらいいだろうか? オフィスでパソコンの前に座っていたのではいいアイデアが浮かばない。私はよく、コートを羽織り、オフィスの外に出て、ひんやりした風に吹かれながら、遠くの丘で放牧されている牛を見たり、首をすくめてじっと足元の芝生を見たりしながら考えていた。初めて、これは頭脳仕事だと思った。自分の全ての知見を合わせて、どう分析するのがベストか、どう説明するのがベストか考えるのだ。生み出すのだ。まさに、生みの苦しみだった。  簡単には答えが出ず、9月一杯が経過した。早く私が仕上げて、ボスにアドバイスを請うた方が早いのは分かっているのに、まとまっていないものを出すことが出来ずにずっと自分で持ってしまっていた。今思えば、他にやりようがあったかも知れない。しかし、あのときの苦しみ、分析の基準を一人で分析したことは、後々私の自信になった。

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page