top of page

7月の3話 フランスに来た理由1

Image by Olia Gozha

帰りの飛行機の中、私はボスに、11月からの自分の進路を相談した。ボスはちょっと困った風だった。理由は恐らくこうだ。私は、博士後期過程の学生として、今ボスのところでお世話になっている。通常、博士の学生と言えば、基礎知識、専門知識は大方身に付いており、研究は大体自分で進められるものだ。しかし、私は、修士と博士で専門を変えたこともあり、知識やスキルはまるで素人なのだから、無理もない。。私も自分自身で「知識に自信が無い」と言ってきたし、ボスもこれまでの数ヶ月で、本当に何も無いな、と理解したに違いない。  ボスは言った。  「I'm curious. 」  どうして、日本の先生が、私を博士学生として受け入れたのか、どうして、博士から専門を変えるなんてことが許されるのか。だって専門性の無い人に3年で博士号を取らせるなんて無茶だから。それに、そう言ったときのボスの表情や語気に、私は、いつもとは違う、何か、本気の感情を感じた。きっと、「一度引き受けたし、悪い子じゃないし、他に面倒見る人がいないから見ているけど、どうするつもりなんだ、コイツ」、と普段思ってくれてるんだろうな、と勝手に思った。    私は、ここが話すチャンスだと思った。幸い、つい1週間ほど前に、英語の発音に自信がついたばかり。実はずっと、せっかく近くにいるのだから、ボスが何を考えている人なのか知りたいと思っていたし、自分の気持ちも話したいと思っていたからだ。私は勇気を出して、こう言った。  「If you are curious about my story, I can explain  it to you. 」  ボスは、聞こうじゃないか、という態度を見せた。

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page