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彼との短い夫婦生活が始まるまでの長い長い時間

Image by Olia Gozha

彼との出逢いは20数年前。

看護学校の同期生だった。

私はスーツに身を包み緊張して入学式に望んだ。

誰もが希望に満ち溢れ、少しの緊張の中で入学式を待っていた。


入学式開始5分前、彼は現れた。黄色のパーカーにジーンズ姿で。。

『なんだか変わった人』

私の第一印象だ。


入学して授業が始まる頃には私には気の合う理恵と言う友達が出来ていた。

彼女とたわいもない会話をする日々の中で、いつもポツンと一人で不貞腐れている彼のことが気になっていた。


そんなある日、理恵と私は彼に話し掛けてみた。

『いつもつまんなそうだね。』

彼は、初めて笑った。

『そんなことないよ。』

彼の名前を聞くと、

『しんや』だと言った。


それがきっかけで私達3人は、いつも一緒に居るようになった。

授業中も、休憩中も、放課後も。。


当時の学校は校則が厳しくて、ヘアカラー禁止、自家用車通学禁止、制服での飲食店出入り禁止だったのだが、しんやは金髪のボブ。理恵は金髪のワンレン。私は茶髪のソバージュで、いつも彼の赤いスポーツカーで学校へ行き、近くのスーパーへ無断駐車し、そこから数分歩いて学校に行った。


学校終われば、またスポーツカーに乗って制服のまま夜のお店にこっそり通った。


いわゆるちょっと不良。

虚勢を張りたくて息巻いていた。


ただ、授業は真面目に聞いて、テスト前には一緒に勉強もした。

すべてが楽しかった。




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