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オイラーの贈り物〜脳の障害を自力で治そうとした男の末路!〜

Image by Olia Gozha

 人間としてのあらゆる能力を神から奪われた男は、自らの力でそれらを取り戻そうと奮起する。幾多の険しい道のりの先に男が行き着いた答えとは?辿り着いた境地とは?自らに課された運命を変えようと闘った孤独で無慈悲なノンフィクションストーリー。
 ある日、男は人間としてのありとあらゆる才能を神のいたずらによって奪われた。十数年後、それに気づいた男は人間だった頃の自分を取り戻すために自らのことを研究し、分析し、そして行動に移した。男は神と戦うことを決めた。二年半後、男は凄まじい集中力で世界中に散らばっているヒントを掻き集め、紡ぎ、そして様々な過程を経て「砂の本」(篠田一士 訳)という本と「絵のない絵本」(川崎芳隆 訳)という本に行き着いた。男は二冊の本の共通点がパラドックス(無限)な題名であることに気づいた。そこで男は三つ目のパラドックス(無限)な題名の本がこの世に存在するはずだと考えた。「砂の本」が白いカバー、「絵のない絵本」が黒いカバー、だから三つ目の本のカバーはグレーだと考えた。そして以前友人に紹介されていたある本に気づく。それが「オイラーの贈物」である。男はそこに至るまで自分の体を実験体に様々なことを試してきた。その一つが演技である。演技は人間をやること。人間をやる過程で不具合が起きる点の修正に徹底して努めた。そして最後にその本を読めば今までの全てが繋がり、人間だった頃の自分を取り戻せると考えた。それが自らに与えられた最後の試練だと考えた。同時に、今まで追求してきたこの世の真理を解き明かせるとも考えた。男はさっそくその本を読み始めた。読んでいくうちに色々なトラウマや病的な執着心などが強烈に蘇ってきて、四十頁ほど読んだところで男の顔は真っ青になった。男は手を震わせながらこう言った。 「こんなことになるとは思わなかった、、、」 その後、その本から禁断の扉を開こうとした男は誰も経験したことのない数々の生き地獄を味わうことになる。その本は男が絶対に読んではいけない本だった。そして不幸と不運が連鎖する。男はただただなんとかしたかっただけなのに、最後の最後まで神に弄ばれていたのだった。  無限のパラドックス:アキレスと亀オイラーの公式:代数、幾何、解析。数学の多くの分野は唯一つの式に合流し、そしてそれを起点に再び奔流となって迸る。ネイピア数、円周率、虚数、指数関数、三角関数が織りなす不思議の環。∞。
「心とは」に続く

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