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13/6/7

新卒で入社した会社を2年で辞めて転職活動をした話

Image by Olia Gozha

2013年3月末…

新卒で入った会社を辞める事にした。



僕が大学を卒業後、入社をしたのは設立40年を超える中堅日用雑貨メーカー。

入社後すぐそこの商品企画兼バイヤー職に就いた。

僕自身、大学で中国語を専攻していたこともあり、入社直後から月に一度は海外出張に行ったり、周囲から見たら恵まれた環境だったと思う。

どうしてそんな恵まれた環境で仕事をしていたのに辞める事にしたか、

理由は以下2つだ。

1,上司と上手くいかず、地方の流通センターに左遷させられたから。

2,流通センターでの仕事に遣り甲斐を感じられなかったから。



当時の上司は年齢30代後半の今は無き元大手総合商社マン、石油や天然ガスの調達に関わっていたらしい転職組だ。

社長には期待されていたみたいだけど、彼は細かすぎる性格と部下に対する辛辣な物言いのため皆に嫌われていた。



そんな上司とどんな事があって左遷させられたかについては、ここでは割愛する。

僕は彼の事が大嫌いだったし、今でも大嫌いだ。

彼と話したり、同じ空間にいるだけで吐き気がするくらい。

但し、変な話かもしれないが僕は彼を尊敬している。

彼のもとで働いたのは左遷させられる前のたった1年半だったけど、社会人としての基礎やバイヤーの仕事を教えてくれたのは全て彼だ。僕の今があるのは彼無しには考えられない、そのくらい尊敬している。大嫌いだけれども…。



とにかく、そう…転職の話だ。

前職での2年間のうち、東京、大阪、兵庫と転勤を繰り返した僕はひとまず東京の実家に帰ることにした。4月1日のことだ。

帰って早々リクルートキャリアに登録して、僕が転職しやすそうな雑貨系バイヤーや海外工場での生産管理の仕事を探してもらう事にした。

僕の担当をしてくれたのは20代後半と思われる女性スタッフ。彼女と面談をしてsakuraiさんの希望条件に見合った求人を30-50社程紹介するので、初めはあまり興味の無い求人でもとにかくエントリーしてみてくださいと言われたので、とにかく待つことにした。

そして面談終了後の夜、担当者からきたメールには無情にも「sakuraiさんの希望条件に見合った求人はありません。」

30-50社紹介するって言ってたじゃないか…。

そんな文句を言っても仕方がないので、ひとまず希望条件の間口を広げてみることにした。

しかし紹介される求人は医薬品の生産管理や、上場企業向けの資金調達コンサルの仕事等、自分の専門外ばかり。

後で感じた人材紹介会社の欠点だが、人材紹介会社の人間は人事のプロであるかも知れないけど、それ以外の職種は素人。

おそらく僕が(雑貨系の)生産管理業務や(雑貨の海外からの)調達業務といっても、彼ら/彼女らは条件の合う求人をキーワードで検索するだけで求職者が真にどのような職を探しているかわかっていないのではないか。

9社程的外れな求人紹介を受けた後、担当者にへそを曲げられて求人を紹介してもらえなくなっても損なので、その内の一社のサプリメントの生産管理職にエントリーだけしてみることにした。

1週間後、メールで(会社側が希望する)条件に見合っていないという理由で、採用が見送られたと連絡がきた後、一切その担当者から連絡がくることはなかった。


人材紹介会社に頼れないとなったら自分で探すしかない。

リクナビNEXTやenジャパン、ジョブセンスリンクで見つけた求人、前職で取引のあった会社や、競合他社にひたすらエントリーした。

その数およそ40社。

書類選考に通ったのが8社。

最終選考まで残ったのが4社。

内定をもらったのが1社。

最終的に内定の連絡がきたのが6/6、転職活動をして2ヶ月以上たっていた。

内定をもらった会社はファッション小物やインテリア商材のメーカー。そこのバイヤー兼貿易事務職に就くことになった。

本命の、ECサイト向けにドロップシッピングサービスを展開している会社には最終の社長面接で落とされた。

集中すると周りが見えなくなることが欠点の僕はその後落ち込み、1週間程家に引きこもることになり、母親を心配させた。特に自暴自棄になっていたわけではなく、単にエントリーだけして、面接やら予定がなにも無かっただけなんだが…。

そうは言っても、なんとか転職先は決まった。

もう暫くは転職活動はしたくない。

25にもなって両親に養ってもらうだけの存在は惨めだし、周りの友達が会社の役員になったり、起業して頑張る中自分だけ職が無いというのはこの上なく惨めだった。

この話はここまでで、特にオチは無いのだけど最後に僕が転職活動中に感じた反省点や疑問点をまとめておきたい。

<反省点>

1,営業経験が無い状態での転職活動がここまで大変だと思ってなかった。求人数は当たり前だが営業職が一番多い。自分も営業経験があって、営業職志望ならもっと早く内定をもらっていただろう。商品企画やバイヤー職はメーカーでは花形の職種だし当然倍率も相当高いだろう。たった2年の社会人経験(雑貨の商品企画兼バイヤー1年半、物流センターでの倉庫管理が半年)で経験がありますといっても殆どの企業は見向きもしないだろう。

2,僕はなにか一つのことに集中すると周りが見えなくなる欠点がある。仕事中でもそうだが、転職活動においてもこれはマイナスだった。これはと思う一社を見つけるとそこしか考えられなくなる。その会社に入社してからの人生プランをざっと20年分は考えてしまうので、落ちるとすごく凹む。また面接の結果を待っている間も次の企業を受ければいいのにそれが出来ない。そのために余計に内定まで時間がかかったと思う。(これは今後も意識的に治していかなかければならない。)

3,日用雑貨業界自体大手を除けば儲かっている会社は非常に少ない。故に求人数も少ない。考えれば当たり前だが、日常にものが溢れかえっている。自分が前職で学んできたことが如何に狭い業界内でしか通じないかわかった。

<疑問点>

1,自称リクルートのトップパートナーがざっと200社以上いる。

2,必須条件が社会人経験3年以上、TOEIC800点以上または同等の英語力、マネージメント経験があり、Illustrator、Photoshopが扱える、35歳未満。この高スペックで月給21万(残業代含む)ってのがたまにある。

3,リクルートの代理店から「広告営業経験があるあなたに」っていうオファーがくる。(そんな経験ありません。)

4,大阪やら仙台やら、関東に支店の無い遠方の地からスカウトメールがくる。

5,辞めた会社にエントリーしてみたら書類で落とされた。


以上、おしまい。

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