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13/6/4

【慶二郎】軍隊と酒の話

Image by Olia Gozha

はじめに

祖父の慶二郎の昔話を孫が残す為に書いています。最初のエントリはここ

最初に聞かれた質問が明暗

軍隊に入って最初の頃に、整列させられて上官から順番に質問される事があるそうです。


上官「貴様、名前は何だ!」

慶二郎「鈴木慶二郎であります!」

上官「貴様酒は飲むのか!?」

慶二郎「大 好 き であります!!」

上官「よしわかった!飲んでよし!」

この質問は整列した人全員に順番にやるものらしいのですが(恐らく質問の内容は他にもイロイロあったんだろうと思います)、いい子を演じたい人はそこで「酒は飲みません!」とか答えるらしいです。そうすると「じゃぁ飲むなよ!」って事で、飲む事が許可されないという話でした。

慶二郎は素直と言うか馬鹿と言うか、そういうところで言いたい事言うタイプなので、好きなだけ飲む事を許されたそうです。

他のエピソードで書きますが、下手な返答するとぶっ叩かれるのが当たり前だったそうなので、酒は飲まないと答える人の気持ちも少しわかります。

机の端を掴む男

そんな慶二郎ですから、時間さえあれば酒を飲むようなことをしていました。ただ、集合時間には皆集まらなければならないので、酒を飲んでいようが時間には動く事を要求されるわけです。

集合には間に合ったものの、とてもまっすぐ立っていられません。点呼は始まります。端から上官が一人一人チェックしながら順番に歩いてきます。体はフラフラです。ちょっと気を抜くと左右に振れてしまいます。このままではまずいです。上官はすぐそこです。ギリギリの慶二郎が取った手段は

机の端を思い切り掴んで目一杯踏ん張る

でした。とりあえずこれで一時的に直立不動しているように見せかける事ができたようです。恐らく上官だって真っ赤な顔して酒臭い事に気付いていたはずですし、歩いてくる最中に気付かないはずありません。…が、それくらい頑張っている事を評価したのか、ぶっ叩かれたりはしなかったようです。

おしまいに

この話は最も沢山聞かされて、最も彼らしい内容だと思ったので、一番最初に持ってきました。ぶっ叩かれない所に上官の粋な所が垣間見えるところでもあります。(ぶっ叩かれるのは日常茶飯事だった様子ですけれども。体罰がどうたらなんていうのは当時から考えたら甘いもいいとこだったのでしょう)。


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