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13/6/6

プログラムの講師(3)

Image by Olia Gozha

朝、関東で上位を争う混雑ぶりの○○線の電車に乗り込む。ドアがはちきれそうなほど人が乗ってきた。これが2ヶ月続くのか。。。初日から戦意を失わせてくれる。いやそもそも戦意などないのだ。


駅で降り、研修場所に向かう。初日ということで少し早めに出てきたので、研修場所近くの大型スーパーの自動販売機がある喫煙所へ行った。コーヒーを買い、タバコに火をつける。とくに緊張することも無かった。挨拶して、生徒に環境セットアップさせて、レベル1の資料を配りビデオを見せて、持ってきた回答のコードレビューをする。それくらいで今日は終わるだろう。


しかし、気になるのは昨日いってた達成率80%だ。これは多少出来なくても合格させて次のレベルにいかせればなんとかなるか。40人の80%、32人。8人脱落。ん~厳しいのか。いや、でもシステム開発部に入社してるんだから、そんなに脱落しないか。いやいや、それなら去年40%ってのはなんだ?

タバコを灰皿に放り込み缶をゴミ箱にいれた。

まぁどうにかなるだろ。


研修上はセキュリティが厳しく、玄関で案内の女性がくるのを待つ。相方の講師と事務の女性はもう来ていた。

「おはようございます。今日からよろしくお願いします。」

私は言った。

「こちらこそよろしくお願いします!」

講師の女性が言う。

「私も事務でサポートできることがあればなんでもいってください。」

事務の女性が言う。


しばらくして案内の女性が来た。入管証をそれぞれにわたされ、改札を通る。

「では、今日からよろしくお願いします。初日ということで、上司のKも朝礼にきます^^」

あ~朝礼とかあるのか。。。

教室に入っていくと、新卒たちがちらちらこちらを見て、

「おはようございます!」

「おはようございます」

「おはようございます!」

ときた。

「おはようございます」と私は一言だけ言って自席についた。


それからKさんがやってきて、壇上でなんか訓示をたれた。

興味がなかったので、全く記憶に残っていない。

そして、講師一人づつ紹介の挨拶をということになり、私は壇上に上った。

「おはようございます。皆さんはこれからプログラムを2ヶ月で覚えていくことになります。

不安に感じることもありでしょうが、日本語を話すよりもよっぽど簡単です。

分からないことがあれば、すぐに質問して、解決するようにしましょう。

よろしくおねがいします。」

それから、相方の講師が話し、事務の女性も話した。


そして、研修は始まった。


事務の女性に環境設定の資料を配ってもらった。

私のPCに共有設定がしてあるフォルダから、各動画をそれぞれの端末にコピーする。

生徒は動画と資料を見ながら、PCにjavaの環境設定をし始めた。

それから5分も経たずに、手が上がった。

手を上げた生徒のところにいき、どうしました?というと、

「先生、資料のこの部分がわかりません。」

「言っとくが私は先生じゃないからOさんと呼んでください。それでどこがわからないの?」

「ここがほにゃららで、でも私はこう思うんですけど、ほにゃららほにゃらら。」

何を言っているのか全然わからない。というかあなたの意見なぞ聞いてない。

「・・・」

「ほにゃららほにゃらら」

「え~と、ここにこう書いてありますね。それでこのフォルダをダブルクリックして、まず動画を再生してください。」

「わかりました!」


・・・


そしてまた同じ内容で手が上がった。

まぁ、すぐに質問してっていったけど、これはないだろ。

二件目に対応し終えたところで3人手をあげてるから、私は壇上に上った。

「すぐに質問してください。といいましたが、自分で調べてから質問してください。

それと、質問するときには何を聞きたいのか整理してから、手を上げるように。」

すると今度は全然手が上がらなくなった。いい塩梅ってことを知らんのか。。。


楽だと思っていた初日だったが、プログラムの勉強というよりも、

質問の仕方やまず自分で考えることを教えてる。

大学いってないし、一流企業入ったことないからわからんけど、

新卒ってみんなこんなかんじなのか?

予定してたカリキュラムなんて遂行できるんだろうか。。。

そうして、研修の初日は終わった。


つづく


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