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13/7/10

ベンチャーの光と影

Image by Olia Gozha

新しい拠点であるGMOオフィスの一角には、一人また一人と新しい仲間達が増えていった。これまでいた福岡ではロリポップやムームードメインの運営、東京ではJUGEMや新サービスの開発という2拠点体制となった。

ボクは広報と兼務してマーケティングのチームを率いた。ポータルサイトの運営に携わっていたという宮本さんとテキストサイトを運営している大学生の下田くんという二人が入社しチームメンバーとなった。このチームでは、広告やプロモーションのための企画、著名人とのタイアップ獲得といったサービスの露出とKPIの管理が業務となった。

矢継ぎ早に立ち上げる新しいサービスと、ロリポップやJUGEMへの機能追加を目立たせるために、アフィリエイト広告やネット上での口コミといった当時は競合企業が意識をしていない分野でのプロモーション戦略を重視し、会員数をさらに増やしていった。また、にわかに言われ始めたWeb2.0企業の1社として社長の名とともにpaperboy&co.の業界内での知名度も上がり始めていった。そのことに比例して、面白い事ができる会社だとさらに仲間も増えていった。

そんな一方で、ボクたちはGMOという上場企業グループの1社でもあった。

月次決算やIRのための契約件数等のデータを確実に管理するとともに、マーケットに開示している業績を達成するために日々の予算実績管理を行っていくことも必要であった。毎週GMOの担当取締役と会議を行い、施策と結果を報告。目標に届いてない時にはきつく詰められ、リカバリープランの立案とが宿題として与えられる日々が続いた。

そのフィードバックを社内に持っていき、サービスの担当者と施策を協議する。結果がでなかったらまた次の週には詰められてしまうので、ボクは必死にサービスの担当者へ伝えるのだった。

そんな日々を繰り返しているうちに、社内での風当たりが強くなってくるのを感じた。

「社長は何も言ってないのになんでやんなきゃいけないの」

「面白いことをやりにこの会社に入ったんだから数字なんかどうでもいい」

「ペパボっぽくないよね」


さらには、ボクのマネージメント力のなさからチームの雰囲気も悪くなりメンバーとの関係は最悪、社内では真意は伝わらないまま四面楚歌という状況、親会社担当取締役からは厳しい指導と、ボクはこの会社に居る意味を見失っていったのであった。

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