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クルマを買いに行って営業さんに説教された話

Image by Olia Gozha

営業さんに説教される

・いただいたのは、営業ではなく説教

今のクルマに、特別に困っている点があるわけではなかった。

たしかに時々DVDを読まなくなることはあったけど、それはディスクにも問題があって、クルマだけの問題ではなかったし、DVDナビだったので、ナビとDVDを同時に使うことはできなかったが、それとて、年に何度もあるものではなく、その時は子どもたちも理解してくれていた。

昨年にコンプレッサーの異音を感じてディーラーで見てもらっていたが、その時の判断は「様子見」。壊れているわけではなく、古くなっている、というもの。壊れたら、その時が最後と思って乗っていこう、と昨年に判断した。その後、バッテリーを交換したら少し音が治まったこともあって、今年の夏も越せそうだと思っている。

それでもなお、次のクルマを探してしまうのは、中古車探しが趣味である、あるいは、不定期にやってくる病気のようなものだからなのかもしれない。

その日も、たまたまカーセンサーで候補のクルマを探していた。

探していた車種は、日産エルグランド。E51型と呼ばれるロングセラーモデル。かつて“前期型”に乗っていて、今乗っているのは“中期型”だ。どちらも中古で購入したクルマだった。

ヘッドライトが2段になっていた前期型に比べ、中期型からはヘッドライトは大きな1段となっている。

中期型のXLというグレードで、7人乗り。2列目のシートはキャプテンシートになっているので、ゆったりとくつろぐことかできる。が、チャイルドシートを付けているので、その効果を実感できる場面は少ない。

むしろ2列目がウォークスルーになっていて、3列目へのアクセスが楽という方がメリットかもしれない。

本革のシートは子どもがお茶をこぼしても染みこまないし、電動カーテンは晴れた日の駐車中に閉めておくと、少しは直射日光による車内温度の上昇を抑えてくれている気がする。長距離移動で仮眠をするときにも、閉めておくと落ち着く。

大きなサンルーフは、屋根の大きなミニバンの車内を明るくしてくれる。ガラスを開けることはあまりないが、よほど日差しの強い日でもなければ、サンシェードを開けて車内を明るくしてドライブしている。

後席のモニターは、ロングドライブの必需品。DVDさえ止まらなければ、渋滞でも、それこそロングドライブでも、子どもたちもついてきてくれる。

そう、不満はないのだ。

この状態で次のクルマを探すと言っても、候補はエルグランドしか思いつかない。

前期、中期と乗り継いできたから、いよいよ後期か。

後期はナビがハードディスクになり、DVDを見ながらでもナビを使うことができる。

3列目シートは、ひじ掛けが省略されたが、日常的に使う席ではないので、それほど問題ない。

あとは、サンルーフ、後席モニターさえついていれば充分なのだ。

そんな物件を見つけてしまった。

しかも、家からそう遠くないお店の在庫だった。

ちょっと見てみようかな…と軽い気持ちだったので、お店に「行きます」と言うと、気合いを入れて強く売り込まれそうなので、“ふらっと”行ってみることにした。


そのお店は分かりやすい場所で、初めて行ったが迷うことは無かった。

ただ、人の気配が無く、駐車場にクルマを入れても店員さんが出てくることも無く、お店に入って、ようやく受付で対応いただくことができた。

その後、実車の確認。

キレイなクルマ。

走行距離は忘れてしまったが、少なくとも今のクルマよりはずっと少ない。

装備も良く、値段的に手ごろであれば買い換えられるかな…と思い始めていた。

営業の方が見積もりを出してくれるというのでお願いした。もう金額も忘れてしまったが、その時に「下取りも出してみましょうか?」というので、見てもらうことにした。

結論から言えば、販売価格が思ったよりも高額だったこともあり、下取り含めていくらくらい値引きできるかという話が始まったので早々に退散してきた。

この時はまだそれほど買い換えに現実感があるわけではなかった。


その後に、別のお店にも行ってクルマを見てくることにした。

メールで見積もりをとっていたので、営業さんから電話もかかってきて、来店の予約をしていたのだ。

ただ、そのクルマはミニバンではなく、近い将来に乗りたいクルマ。

条件に合うクルマを見てみたいという思いから、まずは問い合わせてみた次第。

お店で営業さんに迎えられて現車を確認。クルマはBMWの530i(セダン)。

エンジンをかけてくれる。運転席に座る。包み込まれる感覚と言えば良いのだろうか、ミニバンの開放感とは違う安心感があった。

エンジンが暖まった頃にアクセルを踏んでみると、エンジンは瞬時に、滑らかに反応してくれる。

これはいいなぁ。ますますドライブが楽しくなりそうだ。

あとはどう家族を説得するか、という話。

そんなやり取りを営業さんとしながら、「エルグランドの後期も見てきた」と言ったら、営業さんが「それなら」と語り始めた。

要約すると次の3点。

①あとちょっとで下の子も大きなチャイルドシートが不要になるのだから、その時に本当に乗りたいクルマに乗り換えた方が良い。

②今のクルマに致命的な不具合があるとか、エルグランド大好きなら別だが、加算される自動車税を払ってでもあと2年くらい乗り続けた方が、エルグランドを乗り継ぐより、トータルでかかる金額は少なくできる。

③たぶん下取りの金額も出されたと思うが、ここから古くなっても事故なんかをしない限りはそれ程は下がらない。オーディオに不満があるなら、オーディオだけ交換すれば、しばらくは新鮮な気持ちで乗り続けられるのではないか。


つまるところ、わが家の状況と私のニーズを掛け合わせてくれて、実に適切な説教をしてもらったというわけだ。

とても納得したし、この営業さんは信頼できると思った。

クルマの相談は今後はこの人にしよう、本当にそう思える人だった。


この後の話はまたいつか。

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