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奪った「宝物」失った「心」

Image by Olia Gozha

長男


次は長男のお話。



僕が知る限りの事、聞いた限りの事になるんですけどね。




僕の家は三人兄弟、全員男。


末っ子に甘えん坊で泣虫でお母さん大好きな僕ですね。








今回は長男のお話。





長男と僕はそんなに仲が良い訳じゃなかったかな。



記憶を辿っても…………、嫌いだったと思う。




だって今でも多少のぎこちなさはあるもんな。




まぁ今の長男はまた昔とは違うんですけどね。






っとゆうのも、兄はとある事をきっかけに統合失調症になってしまったから。。。








嫌いだったので兄とそんなに話す事もなく、仲良くもなく、そんなに知ってるとは言えません。



そんな末っ子の僕が語れる事は少ないかもしれませんが、あくまでも僕からの目線で知りえた事をお話します。






兄は中学校時代野球部できっと上手ではなかったんでしょう。

(上手だったらこの年頃ってそれだけでヒーローになれるから)


友達も少なくコミュニケーションが下手。




中学三年になり部活動が終われば多少ぐれてきたのかタバコを吸ってたとか。





この当時はまったく知らなかったんですがイジメにもあってたみたいですね。





どんないじめ方をされたのかとかはまったく知らないんですけど…。






そして多少グレながらも高校へ進学。



かなりのバカな高校で誰でも行けるぐらいのレベルの私立の高校です。




高校時代は野球は辞め、バイトをしてたなって記憶がありますね。



ラーメン屋でのバイト。



ここは次男の同級生の親が経営しているお店でいわゆるコネってやつでね。



こんなに小さな界隈でのコネですね。




そこで働いてる兄を見てた時は”普通”に仕事してるんだな~って印象。




別に兄がいじめられてるとかグレてるとかそんな印象は当時はまったくなかったと思います。





でも後々聞けばって事ですね。





まぁ嫌いだったから極力関わろうとしてなかった自分もいるでしょうしね。






高校を卒業してからは普通に就職をしてました。







覚えてる限りでは車関連の工場?だったと思います。






派遣社員?だったのかな?



この辺は正直曖昧ですし、聞いた覚えもないので…。






高校を卒業した辺りから車がすっごくすっごく好きではまっていってましたね。




スポーツカーとかそんな感じの車が大好きで、車の漫画を読み漁り、車関連の情報をひたすらに取り込んでた様に思えます。




そしてなんだかちょっとヤンチャな感じがしてたのはこの頃ですね。




車もシルビア?を買い友達もまた少し柄の悪いと言うか…、そんな感じ。





彼女を家に連れてきたりなどはこの時だけだったかな。。。






車がスポーツカーで、漫画やビデオの見すぎで自分でもドリフトの練習などをしてたみたいですね。









とにかく車車車でした。







プラモデルも車。




部屋を覗けば車。




壁には車の写真。




休みの日は自分の車を洗ったりいじったり。。。








本当に好きだったみたいですね。







ある種心のよりどころみたいな感じになってたんだと思います。








っで。。。




とある事件が起こったのはこの頃だったかな。








いつも遊んでる友達…。








友達…。








友達ではありませんね。















恐らく本人にとってはとんでもなくかけがえのない友だったのだと思います。







「友」とゆう大きな存在も今までそんなに感じた事はなかった事でしょう。





いじめられた経験もあるぐらいだった兄です。







恵まれなかったのか、はたまた自分に原因があったのか…、そんな事はわかりません。










でも、兄が友達とワイワイ遊んでるとか、家に連れてくるとか高校を卒業してからしかイメージはありません。














そんな大きな大きな存在になっていった友達。













そのかけがえのない友達から、心のよりどころでもある車に落書きをされたんですね。








「落書き」と言うと、そんなもんか~っとは思うでしょ?







でもそれはそれはひどいものでした。








黒のスプレーで、本当に醜い酷い落書き。










何百万とする自分の宝。





これが好きで仕事をし、汚くなればすぐに拭き、我が子のように可愛がる様は本当に愛を感じてました。






宝だったんですよ。






















どっちも。















どっちもね…。
















そう。








車も。






























友達の方も。。。




















兄がここまで友達を家に連れてきた事などなかったから。







僕もこの人達と遊ぶようになって兄は少し自分らしくなれたのかな?なんて事を思ってました。






彼女ができた兄もまた少し誇らしかった。






ちょっと悪い感じの友達でも僕は誇らしかった。




















同時に二つの支えを失った兄。



















心はそこで崩れたんだと思います。





















きっとね。







きっと今までも沢山辛い事はあったと思います。









中学校の時のいじめもそうです。







家族にも相談できない。





頼れる友はもちろんいない。







自分1人で戦ってたんだと思います。






その結果グレてタバコを吸ったりとゆう結末。




そこに逃げたんだと思います。







家では長男とゆう事もあり父親からとんでもなくきつい教育を受けてたと母から聞きました。







父は建築士?設計士?だったので長男にもその道を進ませるようにしてたのか?はたまた兄が進みたいと言ったのか、、、そこはさだかではありませんが、小学校の時も中学校の時も遅くまで長男に勉強をさせてたとか。。。






もちろん期待の表れで一番可愛がってたのは長男だったから、愛情の表れなんでしょうが、本人的には酷だったと思います。







かといって結果が出た訳でもないので。。。









そんな自分にはがゆかったり、けど父には逆らえない。



いじめにも合うし、部活の成績も全然ダメ。








兄の居場所はずっとみつからず苦悩していた時に、見つかった心のよりどころ。














大きな支えを同時に失った。















もう何も信じれない。






本当にそうなったんだと思います。






数少ない友。





経験がなかった「友」との時間。





それも嘘だったんだから。










今まで過ごした事のない楽しい「友」との時間。








本気で笑いあえたであろう「友」との時間。










そんな「友」と過ごした時間は全てが嘘。










そんな「友」に傷をつけられた自分の「宝物」。











そんな「友」は自分達もまた兄の「宝物」を二つも奪ったとは心にも思ってないでしょう。













こんなに良い車に乗りやがって、、、





そんな嫉妬からきた行為でしょう。









兄は全てを失った。

















全てを失った兄は失うだけでは終わらず、その心は崩れたんです。













もう元通りに戻る事はない。









それが統合失調症。











今も兄は生きてます。




生きてますが昔とはもちろん全てが違います。












今はだいぶ時がたち落ち着きましたが、それはそれは酷いものでした。








幻聴が聞こえる、いつも誰かが自分を追ってくる、いつも自分を誰かが狙ってる、また〇〇(裏切られた友達の名前)来る、酒を飲んで暴れる、家中のガラスを割りまくる、包丁を持って暴れる、包丁が刃こぼれするほど強く強く一部分を叩きつける、ひたすらに暴れる、幻聴が聞こえる、気分が高揚すれば勝手に車を借りドリフトなどをし、そして事故を起こす。。。




自分には考えられない事が沢山起こってました。







本当に心が壊れたんですね。







精神が、、、






本当に。。。










もちろん仕事は今でもできません。






いわゆる作業所?っとゆう所にたまに行ったりしてます。





短い時間で週に1回ぐらいならガソリンスタンドでも雇ってもらってるみたいですが…。













これまた嫌いだった兄がこんな風になると……………。












そんな嫌いな兄。









覚えてる事があります。







一つは嫌だった事。

ショックだった事。









兄が「友」に裏切られ、「宝物」が傷つけられた後…。





一応その後に手を打ってたんですね。



家の庭に侵入させないように策をしたり、センサーをつけたり。。。




それでも兄は心が崩れかけてて、それじゃダメだそれじゃダメだと不安に不安が重なってました。







自分の部屋が一階で外に一番近い場所だったんですが、



「きよひとじゃどうにもできない!」





この一言はとてもショックでした。






口に出さずとも絶対に兄の宝をこれ以上傷つけさせまいと意気込んでたから。









やっぱり嫌いな兄だったとはいえ、家族の「宝物」が傷つけられるのは見てられないから。



















そしてこれが本当に忘れられない!!!!









僕が小学性だった時に一人で帰っていたら兄も中学校の帰りで後ろから来て、自転車の荷台に乗せてくれたんです。












これだけが今でも覚えてる。







暖かい兄の優しさ。









一番遠い記憶なんだけど、一番暖かい記憶。











夕暮れ時に、兄に声をかけられ恥ずかしがりながらも荷台に乗り、家まで一緒に帰りました。




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