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Chapter8 40人に1人が感じた劣等感

Image by Olia Gozha

程なくして高校を無事に卒業した私は美容への興味ら美容学校に入学します。クラスは40人で男女半々ぐらいで、美容学生は皆とても個性的で目指す目標を持っている人たちが集まっているので私にとってはかなり居心地が良かったことを今でも覚えています。の美容学校では九州全域だけでなく日本でもトップクラスの美容技術を誇り、メディアでも活躍する某有名美容家も卒業した学校でした。入学式が終わり教室に通された私たちは、それぞれが机に座り新しい先生を待っていました。
すると、教室のドアがガラリとあき、そこにいたのは先生ではなく、有名美容家だったので。その有名美容家は卒業生でもあり、私が入学した代は3.11の震災があった年でもありました。    そこで、美容家のIさんは私たちから募金を集めたのです。    生徒たちは次々に感銘を受け、募金箱に小銭を投げました。    そう。問題は、ここです。 生徒たちは、ルイヴィトン、シャネル、フェラガモ、カルティエなどのブランドの財布から小銭を出していたのです。もともと私の家族も、高校時代の友人もブランド品を一切持たない環境で、そのせいか、私もブランド品には今まであまり興味を示しませんでした。ですがブランド=高くて大人が持っているステータス ということはなんとなく認識していました。 40人中39人がおそらくブランド財布を持っていたと思います。私は、ノーブランドのおばあちゃんからもらった黄色い財布を持っていました。私は途端に恥ずかしくなり、全員に同じように配られた大きな学生カバンの中でそっと財布を開けて小銭だけを取り出して募金しました。   
30歳以上が持つ大人なブランド財布をあろうことか19歳の若さで手にしている同級生に、どうしようもなく劣等感を抱いたことを覚えています。 この時に、私は「私もアルバイトができるからアルバイトをしてお金を貯めてお財布を買おう」そう決意しました。 「誰かに買ってもらおう」という概念にならなったのですが、それは、洋服や化粧品などの消耗品と、ブランドのお財布の耐久年数を 自分の中で区別していたからだと思います。ずっと使うものは彼氏に買ってほしくない。思い出は捨てちゃうから。当時はそんな風に思っていました。

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