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「Mother」

Image by Olia Gozha


久々に舞台を観に行った。 鹿児島県知覧での特攻兵の実話をもとに、この地で軍隊の指定食堂として「富屋食堂」を営み、出撃する特攻兵の身を案じ、心の支えになっていた食堂の母こと、鳥濱トメさんと隊員の戦場の物語である。元バレー日本代表で有名な大林素子さんがトメさんとして主演されている。戦時中、特攻兵として自らの命を国のために捧げた若者たちの、悲しい物語である。ある者は、母を残し、たった一人の妹を思い、愛する人を振り切って、日本のために出撃せねばならなかった彼らの胸の中は知る由もない。10代、20代の若者が死に行かねばならない、戦争とは、一体何だったのか。今一度、72年も前の真実を顧みなければならない。 大林素子さんがこの「Mother」の舞台に取り掛かって9回目になるのだが、私は毎年この舞台を拝見している。年々、充実した演技に、また一段と迫力が加わり、観る者の心を虜にしている。気が付けば胸にこみ上げてくる悲しい涙に我が身を重ねて、時間が通り過ぎて行った。 2年前、鹿児島の知覧に行ったことがある。かつての食堂も復元され、「ホタル館」として特攻隊員の記念館となっていた。その地に足を踏み入れたとたん、騒然と地べたから吹き上げてくる大きな地響きのような叫びが伝わってくる。この舞台を見たものに、改めて心の重みを感じさせるのである。   10月も半ばを過ぎ、もう冬支度を整えなければならない。 烏瓜が真っ赤に色づき、秋色の風景が急いで通り過ぎようとしている。 ご近所から大きな冬瓜をいただいた。今まで、あまり買うことのなかった野菜だが、今日は暖かいスープにしてみようと思う。

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