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17/10/4

あの時、もしラーメンを食べていたら・・・②

Image by Olia Gozha

お母さんはお父さんが大好きだった。


前回いかがだったでしょうか。

15年以上も前の話なので、うろ覚えのところもありますが

事実と当時の心情をまた、記したいと思います。



2学期がはじまってすぐ

父が風邪で仕事を何日か休んだ。


仕事を休むなんて、なかったから何日も家に父がいるなんて変な感じだ。


お父さんのいる部屋から

時々「ゆきちゃ~ん」と声がして

「ジュース買ってきて」っと120円。


ロングサイズのサイダーを買ってくる事、数回。


なかなか風邪が治らずに病院に行く事にしたらしい。


私は学校に行き、帰ってきても父の姿がないので

「お父さんは?」っと母に聞くと


『個人病院で、紹介状もらって大きな病院で検査することになったんだってー』


っといった。

あれよあれよと気づいたら大きな病院に入院することになった父。


なんの病気なの??っと母に聞いても

『何が原因かわからないから入院するんだってーー。原因わからないから個室になっちゃった。高いから、やめて欲しいんだけどな~』っと。



同時期に母方の祖母も脳出血が倒れて自宅介護していたものの、難しくなってきて入院したりとバタバタしていた。


兄弟で2回くらい、父と祖母とお見舞い行っただろうか・・・



入院してから1ヶ月くらいして病院に行った時は

父は顔は痩せこけてて、なんだか父じゃないみたいだった。


私は父に買ってもらった勉強道具を持って、行ったんだけど。

「ゆきちゃん、勉強してるんだね。えらいね」と言われて、なんだかうれしかった。



父がおまんじゅうを食べたいというのでコンビニでおまんじゅうを買ってきてあげた。



色々な機械や管が体にくっつけてあって、なんだか現実感がないというかドラマの世界みたいだった。

おまんじゅうを父に渡すと

「おいしい」と言って食べたんだけど。

何か機械がとれてしまったのか

ピー!!ピー!!って鳴るの。


すぐに看護師さんが何人か来て

色々チェックしてて


私は本当に怖かった。

だけど、父がその、おまんじゅうを見せて私に微笑んでくるの。


私、わけがわかなくなって。ロビーに休憩に出て


結局、お父さんに、また来るね!みたいな事言って

帰ったんだけど。


それをお母さんに話したら。

『本当は、おまんじゅうなんか食べちゃだめなの。原因わからないから病院食以外のものをはね。だけど、病院食おいしくないから何か違うもの食べたかったんでしょ。』


それで、ようやく私、お父さんがこっちみて「本当はいけないんだけど、たべちゃった。てへ。」みたいな意味あいで笑ってたの理解したんだけど。


正直、死ぬんじゃないかと思って怖すぎて、私、笑い返せなかった。




そこから、1週間くらいして

「おばあちゃんの様子どう??元気になった?」と母に聞いたら

『うん、おばあちゃんは元気になったけど。お父さんが、なんか・・・』


「そうなんだ。じゃぁ、今度の休み、お見舞いいかなきゃね。」

『そうだね』


って話して。



翌日

お母さんが早朝に

『病院から連絡あったらから、お母さん行ってくるね。朝ごはんはあじの開きとお味噌汁ね』

って言って行っちゃった。


私は家族の朝食を準備して、それから中学校へ。



そしたら、中休みくらいに学年で一番怖い体育の先生が来て

「(名字)!!今、すぐ職員室に来なさい!!」


っと言うので

私、何かした??プリペケータイ内緒で持ってきてないよ??


とか色々考えながら、先生の後ろをついて歩く。


「お母さんからだ。出なさい。」っと電話。


『もしもし?ゆきちゃん?あのね。お父さんがね・・・お父さんがあぶないから、すぐに病院に来て欲しいの。家の電話の隣の棚の一番下にお金があるから、それで○○と○○(弟二人)とおじいちゃん連れてタクシーで来て欲しいの。スーパーの近くにタクシーとまってるはずだから。お願いね』


??え?死んじゃうの??っていう恐怖と

お母さんが私に託した、今行うべきミッションの難易度に驚愕。タクシーなんか呼んだ事ないし。


とにかく帰る支度をして

泣きながら弟たちがいる小学校へダッシュして。

小学校もどこから入れば、わからなかったから

とりあえず保健室に駆け込んだら。


保健の先生が話、聞いてくれて。

先生が全部、手配してくた。ホッ・・・。


先生、自ら車出してくれて、自宅にも寄って、おじいちゃんピックアップしてくれて。

病院まで送ってくれた。


途中で弟になんで病院に行くのか聞かれたけど。

「お父さんが死にそうだから」なんて答えたくなくて

知らないとだけ答えた。


ついてからも先生来てくれて。

何階何号室に行けば良いか、聞いてくれた。


エレベーターを待っていたけど。全然、全然こなくて。

いてもたってもいられず、8Fだけど。

走った。

よくわからないけど。

弟二人も一緒に一生懸命、階段を上った。


もし、今私たちが頑張って上ればお父さんはきっと大丈夫。

とか思いながら、上って。


病室に着いたら

ドラマで見る心臓マッサージを医者がやっていた。


あまりに非現実的な光景に

兄弟でぽかーんとしてると

おじいちゃんがエレベーターから降りてきた。


他の先生が「おそろいですか?」と母に尋ね。

『はい』っというと。

心マしてた先生に合図を送ってやめさせる。


やめたら、ドラマでよくみるやつ。


ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。


って、鳴り続けて。

ドラマみたく

「何時何分・・・」的な台詞を先生言ってた。


とにかく、すべてがドラマのようで現実感ゼロ。


しばらく家族全員でおいおい泣いて。

その間、体から機械や管が取り外されて。


お父さんの足を見たら、象のようにぱんぱんになってた。


そして、ひとしきり泣いてお母さんを見たら。


お母さんがお父さんの顔をずっと撫でてた。


そのときは、なんとも、それを見て特別思う事はなかったけど。

今なら、わかる。


お母さんはお父さんが大好きだったんだな。






今回はここまで。私の人生ストーリーです。

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次回も、その後のストーリーをありのまま。

前回初めて、書きましたが。vew数やFBシェアなどの数字に若干びびってます。笑

このストーリーどうなるかわからないですが、書けるところまで書きたいと思ってます!


最後までお読みいただきありがとうございました。




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