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13/5/22

十年ぶりの連絡

Image by Olia Gozha

「自信は継続で得られるし、責任感は自信によって保たれるからね。」
十年ぶりに連絡を取った知人はメールの返信でこう返してきた。この人との出合いは本当に偶然の偶然だった。私なんぞが知り合える部類の人ではなかった。今のソーシャルメディアがあれば、離れた点と点がつながることもあるが、十年前は離れた点がつながるなんてことはほとんどなかった。以前、言葉に型があるという投稿をしたが、それもこの人の言葉だ。
にっちもさっちも行かなったときに、私は彼の家に一泊させてもらった。青臭いバカな私の話に付き合ってくれ、とことん酒にも付き合ってくれた。私は恥知らずで、世間知らずで、どうしようもない奴だった。
今でも人に頼る癖があるが、その時私は彼の家に居候させてもらおうと思っていた。夜中まで話し込み、そして、ソファーを借りて眠った。
朝目が覚めると、彼は朝食を作ってくれていた。
「おはようございます」
「ご飯作ったから、これ食べたら出ていくんだぞ」
「わかりました」
私はご飯を食べた。
味噌汁が今までに食べたことがないくらい美味しかった。
「この味噌汁すごい美味しいです」
「前の日からだしとってるからね」
そして、私は朝食を食べ終え、彼の家をあとにした。

その後、ある職についたときに、彼に一度仕事の愚痴をこぼす連絡をした。
忙しいのに私の愚痴に付き合ってくれ、そしてこういった。
「仕事は自分で作るものだよ」
その電話以来、私は彼と連絡を取ることをやめた。
私は彼にただ甘えるだけで、何も与えることはできない、彼と話すに値しない人間だと思ったからだ。

それから十年ほどたち、私は彼にメールを出した。
自分に価値があると思ったからではない。ただ無性にあの時の味噌汁のことを思い出したからだ。
そして、冒頭の返信があった。
こうも綴られていた。
「元気そうでなによりです。僕が君を許さなければならないことは何もない けど、あの時は、面倒見つづけたらズルズルしそうだったし、突き放してみることも必要だろうと思っていました。」

まだまだあまっちょろいクソガキですが、いずれまた一緒にお酒を飲みたいです。お暇になったら是非メール下さい。飛んでいきます。


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