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17/9/6

日本語教師養成おける直接法至上主義についての話

Image by Olia Gozha

日本語教師養成おける直接法至上主義っていうのは、まだまだ根強いのでしょうかね。

しばらく前のことなんですが、あるポルトガル語ができるボランティアさんから、子どもと接するときにポルトガル語を使うのはどうなんでしょうね?みたいな話がありました。まあ、僕としてはポルトガル語の使用自体に良し悪しがあるのではなくて、そこは目的次第じゃないですかねぇ、と言いました。

そしたら、別のボランディアさんが、「媒介語の使用は極力避け、日本語はやはり日本語で理解するのが一番!」とピシャリ。まあ、そういう考えもわかりますが、国語の教科書なんかは翻訳されたものを先に読んでおくとずいぶん理解の助けになるようですよ~、なんて例をやんわり紹介しました。

でも、そのボランディアさんはどうも納得できない様子で控え目ながらも次に言ったのは、「私、420時間講座を受けましたから」という一言。

そしたら他の人はもう何も言えなくなりました。

しかし、そこまでの強い思い込みを刷りんでしまう養成講座って一体なんなんだろうかと思いました。教師養成のキモというのはこんな(修正不可能な)揺るぎない確信を植え付けてしまうことにあるのではなくて、自分の行為に対する疑念を持ち続けられるような、そういう一種の不安定さを身につけることにあるのでないかと思った次第。

それはテクニカルな意味での内省ではなくて、もっとこう自己の行為に対する根源的な疑念というか、あるいは何気ない一言で激しく動揺してしまうようなナイーブさなのかもしれません。

でも、その揺らぎの中でも掴み取ることができる、揺るぎない何かというのもあるはずで、その揺らぎと揺るぎなさの混在が大事なんじゃないかと思います。

まあ、今どきこんな養成講座も珍しくなっていると思いますが(そう願いたい)。養成に関わるみなさん、どうでしょうか?そういう自分の確信ももしかしたら、こんな感じとそう変わらないのかもしれないとふと思いました。

自戒を込めて記します。

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