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久しぶりに酒を酌み交わした親友に思いがけない指摘をされた。
「結構現実感みたいな世界が嫌いだよね」
言われてみるとそんな節はある。
アニメ好きというのも多々あるが、1番例えやすいのはプロレスかもしれない。
プロレスと大相撲は好きなのだが、だからといって格闘技全般が好きなわけではない。
ボクシングやシュートに総合やMMA。
ほとんど興味が沸かない。
かつてUWFがプロレス界を席巻していた時代。
全く見ないわけではないにしろ、ほとんど思い入れはなかった。
プロレスとUWFが交わった伝説のカード。
武藤敬司vs高田延彦
ガッツリ武藤を応援していた。
高田が嫌いだったわけではない。
でもプロレスを背負った武藤に負けてほしくはなかった。ただそれだけ。
この説明が適切かはわからないが、プロレスにしかない戦いというのがある。
観客との戦い。
どんなに当人達がいい試合をしたと思っても、それが観客に響かなければプロレスは成立しない。
試合としては成立していても興行としては成立していないに等しい。
勝ち負けだけが全ての他の格闘技との大きな違いがそこにある。
いわゆる格闘技がリアリズムなら、プロレスはメルヘンとでも呼ぶべきか。
現実なのにどこか現実離れした世界を味わえる。
サーカスやマジックの世界に近いのかもしれない。
ある人にとっては非現実を楽しむ空間。
またある人にとっては一瞬でも避現実に逃げ込める空間。
そんなものを与えてくれるのがプロレスなのだ。
そう私は勝手に思っている。
最後に。
他の格闘技には存在しない「受けの美学」もプロレスならでは。
これもたまらない。

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