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17/8/5

欧米人とつきあうためのキリスト教の基礎知識(1)

Image by Olia Gozha

欧米人とつきあうためのキリスト教の基礎知識(1)


 「斉藤由貴」さんに、四日市支部でお会いしました。不倫だそうで、モルモン教を誤解されると困るなぁ。


 大阪万博(1970年)の時、私は中学2年生でした。そこに、末日生徒イエスキリスト教会のパビリオンがありました。そこは人気がないので、すぐに入れました。スタンプを集めるために手当たり次第に入っていたのです。

 その時、モルモンという言葉を初めて耳にしました。でも、私は

「ホルモンみたいやなぁ」

 と思っただけで、興味はありませんでした。

 あれから、半世紀近く経ちました。その間に、私は縁があってユタ州のローガン中学校で教師をする機会があり、モルモン書について知ることになりました。正確に言うと、クリスチャンになったわけです。

 2017年の現在、日本で

「私は神様を信じている」

 というと、頭が変だと思われそう。オウムなどのカルトの事件があったし、仏教は葬式のイメージしかなく、キリスト教もクリスマスだけしか知らない人が多い。仏教にいたっては、葬式以外に縁がない人が大多数でしょう。

 でもね、周囲にこんなに欧米の人が増えてきた日本で、キリスト教のことをまったく知らずに彼らとつきあうのは危険ですらあると思います。私の友人のクリスチャンが言いました。

「イスラムでも、仏教でもなんでもいいけど、神様を信じている人は信用できる」

 彼は

「神様を意識していない人は、殺してはいけないという原則もなさそう」

 と言うわけです。

 私の指導させてもらっている優秀な理系女子は

「先生、DNAって、原子の組み合わせらしいけど、なんで動くの?」

 と言う。

「モノも生物も同じ原子でできているのに、なんでモノは命がないの?」

 私も、高校生時代にアインシュタインが神様を信じていることに違和感がありました。

「なんで実証しないと納得しない物理学者が神様を信じているんだ?」

 ここの点を、少し書き残したい。絶対に、日本人の若者の役に立つはず。

 

  ニーファイ第一書


 モルモン書には、エジプトから脱出したリーハイの家族の話が書いてあります。ユダヤ人から迫害を受けて、エルサレムを逃げ出し大きな船を浮かべて紅海から南アメリカに到着したと書いてあるんです。

 もちろん、簡単な話ではないのです。長男のレーマン、次男のレミェルは残してきた財産に執着するし、妻のサライヤもリーハイに不満をもらし、砂漠の生活は悲惨んだったらしい。

 ところで、現在マヤ文明と言われる遺跡の中にピラミッドがある。あれって、エジプトのピラミッドに似ているけど、偶然なんだろうか。非常に高度な文明が古代に存在していたのは間違いがないのだけど、もしかしたらエジプトから渡航してきたという、このモルモン書の記述は正しい?

 そして、イエスキリストが迫害されて殺害されてしまうことも書いてある。聖書って不思議な本ですよね。遠藤周作さんが書いていましたけど、何千年にもわたる人類の歴史において、ずっとベストセラーって変です。

 どんなすぐれた本でも、その時代や、その国の影響を受ける。いくら源氏物語がすぐれた本だとしても、やはり平安時代の日本という制約がある。ところが、聖書って、古代でも、中世でも、現代でも、ヨーロッパでも、アジアでも多く読まれ続ける。

 ちょっと、他の本と違う。

「じゃ、イエスって何なの?」

 と、疑問を持つのも当たり前ですよね。

 この書の中に

「これらの者どもは、とうとう無信仰に陥ってから皮膚の色が黒く汚らわしくなり、まったく怠け者で、あらゆる汚らわしい行いをする汚い民になってしまうのが見えた」

 という記述がある。

 では、末日生徒は黒人を差別しているかというと、まったく違うんですね。ただ、アフリカに住む黒人がアメリカに連れてこられて奴隷となり、悲惨な生活をすごしてきた歴史を見ると、

「これは、一体どういうことなんだろう?」

 という気持ちになるのは、私だけではないでしょう。

 人間の歴史は、戦争の歴史。今でこそ日本は平和国家と言っているけれど、70年前は今の北朝鮮のような軍事独裁国家のようだった。ローマ帝国の昔から、モンゴル帝国、大英帝国と大国の横暴が続いた。

 そのたびに、痛い目を見て人類は進歩してきた。嫌なことだけど、人間はつらい経験を経て進歩するのだからなぁ。

 こういう理不尽とも思える記述を見て、私たちは何百年間という歴史をふり返って考えてしまうわけです。

  私は塾講師だから、偏差値を使って学校にランキングをつけるんですよ、もちろん。日本の教会員には「差別だ」と批判されました。でも、私はそう思わないんです。

 ダメなものには、ダメと言う。アメリカの教会では、それが当たり前だった。何をやっても神様の前では平等だというわけではない。悪いことをしたら、罰を受けるんだ。

 こんな当たり前の原則を、なんで疑問に思う人がいるのだろう。

 もちろん、世襲制を支持しているんではないですよ。でも、正しいことをしている人、努力をしている人と、犯罪をおかしている人、怠けている人を平等に扱うのは間違いだと思う。

 それは、決して神様の意思に反していない。そう信じる人が多いから欧米は資本主義が発達したんだと思うね。中国や北朝鮮のような、検閲と軍事の社会は、クリスチャン、つまり神様の教えに反しているので共存はできそうにないよ。

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