top of page

13/5/22

600㎞を越えろ~自覚と苦悩~

Image by Olia Gozha

この気持ちは何なのだろう…相手のことを考えると妙にドキドキして、何だか苦しくなる。だから考えないようにしているのに、気がつけばK坂さんのことばかり考えている。丁度同時期に、私は中耳炎と咳喘息を連続で患い、体がガタガタだったので…その延長だと思っていました。

非モテ歴=年齢の残念な私ですが、一応男性とお付き合いしたことはあります。彼氏という存在に憧れて、取り敢えず優しくしてくれた人とお付き合いした高校時代に(勿論長続きしませんでした)、友達の紹介で知り合った美男子で普段は優しい(怒ると××でしたが)方に、まめにメールで声をかけてくれた会社の先輩。高校時代は単なる憧れなので無視するとして、後者の2方に関してはあからさまに好きだという意思表示をしてもらったので、「私のこと好きになってくれたのか、じゃあ大事にして貰えるかな。」と非常に傲慢な気持ちでお付き合いしておりました。だから、わからなかったのです…自分から人を好きになるという気持ちが、どういったものなのかを。そして認めたくなかったのです…心のどこかで「惚れたら負け」と思う気持ちがあったので。まして相手はバーチャルな世界でしか出逢ったことがない存在です…そんな実体があるかないかもわからない相手に恋してしまうなんて、どれだけ人恋しいのかと笑われる気がしたからです。

ただ、否定すればする程…不思議なもので、自分の本心に気が付くものです。気になっては否定、ドキドキしては否定…そのうち、否定ばかりしている自分が凄く悲しくなってきて…結局、気持ちは爆発してしまいます。

「私、K坂さんのこと好きになっちゃった~(´;ω;`)ブワッ」

戦国IXAで知り合った仲の良い城主達に打ち明けるものの…残念ながらこの時の私は目の前が真っ暗で、誰の励ましの言葉も聞こえませんでした。恋心を自覚し認めたものの…相手の名前も顔も年齢も知らない。逆にわかっていることは、チャット等の会話を通して得た情報…相手が男性であり、会社勤めをしており、恐らく年上であり…そして、姫路付近に住んでいるということ。私が住んでいるのは東京…そう、遠距離恋愛だったのです。当時まともに一人旅すらしたことがない私にとって、関西に行くだなんて全く考えられないことで…もはや途方に暮れるより他ありませんでした。

しかし12月のクリスマス頃、ひょんなことから大阪行きの新幹線の切符を入手することとなります。せっかく入手出来たのに、使わないのは勿体ないから…と貧乏根性丸出しで、恐る恐る初一人旅に挑戦します。新幹線の窓から見える景色にワクワクしながら、2時間36分で新大阪に到着。景色に夢中だったことが大きいのだろうけれど、大阪ってこんなに近かったのかと感じました。エスカレータに乗る方向が立ち止まる人・歩く人が東京都逆だったり、聞こえてくる言葉が関西弁だけだったり…凄く心細い筈なのに。でも、ウロウロしていたら駅員さんが声をかけてくれたり、神社で酔っぱらいに怯えていたらおばちゃんが華麗に追い払っていたり…。

凄く温かかった。

一瞬で関西のことが好きになってしまいました。何もわからないながら、梅田をひた歩いたり、環状線を一回りしたり…。体調不良が続いたことにより弱っていた気持ちが、凄く元気になっていくのを感じました。そして次の日、京都へ向かう際に私は見るのです。今から私が乗ろうとしている電車とは逆方面に進む姫路行きの電車を。この電車に乗って、K坂さんに会いに行けたらどんなに幸せなことだろう。酷く悲しい気持ちになり、目には涙が浮かびました。

距離はこんなに近くなっても…やっぱり遠い存在。

諦める?

どうせ私なんて相手にされないだろうから諦めようか?

それで良い?

本当にそれで良いの?

ホントウニ アキラメルノ?

ア キ ラ メ ラ レ ル ノ ?

諦めたくない、この気持ちだけでも伝えたい。出逢えたことに、こんな気持ちを教えてくれたことに感謝していると、大好きだと伝えたい。この言葉を伝えてしまえば、きっと今までの友情関係は破綻してしまうけれど…迷惑を承知で伝えたい。私の心は決まりました。来年…必ずこの気持ちを伝えると。そして、K坂さんが気まずくなって戦国IXAが出来なくなるということがないよう…伝えたら、私はそっと姿を消そうと。

辛く切ない片想いが始まりました。



PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

高校進学を言葉がさっぱりわからない国でしてみたら思ってたよりも遥かに波乱万丈な3年間になった話【その0:プロローグ】

2009年末、当時中学3年生。受験シーズンも真っ只中に差し掛かったというとき、私は父の母国であるスペインに旅立つことを決意しました。理由は語...

paperboy&co.創業記 VOL.1: ペパボ創業からバイアウトまで

12年前、22歳の時に福岡の片田舎で、ペパボことpaperboy&co.を立ち上げた。その時は別に会社を大きくしたいとか全く考えてな...

社長が逮捕されて上場廃止になっても会社はつぶれず、意志は継続するという話(1)

※諸説、色々あると思いますが、1平社員の目から見たお話として御覧ください。(2014/8/20 宝島社より書籍化されました!ありがとうござい...

【バカヤン】もし元とび職の不良が世界の名門大学に入学したら・・・こうなった。カルフォルニア大学バークレー校、通称UCバークレーでの「ぼくのやったこと」

初めて警察に捕まったのは13歳の時だった。神奈川県川崎市の宮前警察署に連行され、やたら長い調書をとった。「朝起きたところから捕まるまでの過程...

ハイスクール・ドロップアウト・トラベリング 高校さぼって旅にでた。

旅、前日なんでもない日常のなんでもないある日。寝る前、明日の朝に旅立つことを決めた。高校2年生の梅雨の季節。明日、突然いなくなる。親も先生も...

急に旦那が死ぬことになった!その時の私の心情と行動のまとめ1(発生事実・前編)

暗い話ですいません。最初に謝っておきます。暗い話です。嫌な話です。ですが死は誰にでも訪れ、それはどのタイミングでやってくるのかわかりません。...

bottom of page