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13/5/19

手染めの靴を作るまで

Image by Olia Gozha

storys.jpの読者の皆様。

初めまして。

shoes designerの千藤です。

shoes designerとして、永く靴作りをしています。

全国各地で販売されるような量産型の靴のデザインをする一方、ちょっと他に無いこだわりの靴を作り、合同展に参加したり個展を開催したりもしています。

そういった「個」に向けた靴作りをする内に、より他にはない、他の人が持っていない個人オーダーの「一期一会」の靴を作ろうと思い、無地のヌメ革で作った靴の手染めを始めました。

「一期一会」な出会いでオリジナルな靴を提供したい気持ちのほか、フィニッシュを掛けて均一な色合いの靴とは違った、色合いの綺麗なニュアンスのあるい靴が作れないか?

・・・という思いもありました。

また、学生時代に絵を描くことに明け暮れ、社会人になって好きな絵画を描く機会が持てなくなったこともあり、→靴作りと絵画を掛け合わせた感じで、革を活かし、木型の表情を活かした靴を作ってみよう♪

と、展示会などに並べるようになりました。


絵画の技法で、我流で始めた手染め。

色を重ねる事で、靴の上で色を作るやり方です。

無地のヌメ革で出来上がった状態がこちら。

これはこれで軟らかい質感で、日に当てて焦がしたりも出来ます。

まるでモネの「睡蓮」のように淡く淡く色を重ねていくと、深みのある仕上がりに。

絵画のように、下地の色が表面効果になるように色を重ねて行きます。赤みの紺にする場合は→下地にピンクや紫を塗ったり。

この靴の場合はパールが浮き出す効果を狙って、シルバー+ピンクを塗るところからSTARTします。


これがビフォーアフター。ビフォーのシルバーピンクも好評で、今もオーダーの染め進行中です。スポンジや刷毛など、使う道具で色の乗り方が違うのもまるで絵画。


シルバーを覗かせながら、ブロンズでフィニッシュしています。


爪先から踵にかけて、均一でなく、グラデーションにしたり。前からと後ろから、表情を変える遊び心も^^

エレガンスな華奢な靴を手染めして、ダイナミックなムードになったり。



水性の染料を筆や刷毛、スポンジ。ぼかしは手のひらなどで行います。

ほんと、絵を描くのと一緒です。キャンバスが靴になったという感じです。

「革の段階で染めるほうが楽なんじゃない?」とよく言われます。

そこにはこだわりが。

靴になってから染めるほうが、靴の立体感を際立たせる染めが出来るんです。

トゥ先のシャープさを際立たせたり、カカトをグラマラスに誇張して染めたり。ピンポイントでツヤを出したり、立体的な靴でリズムを付けています。


この独特の色合いを気に入って頂き、オーダーを頂いています。

お各様の細かなリクエストにも対応したり、会話しながら「こういううムードにしましょう」など、お互いの思いを入れて染め上げていく。

そんな靴を作っています。

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