10歳のあなたに
あなたに謝りたいことがあります
10歳のあなたは、
「京都大学に入学して科学者になる!」
校長先生の前でそう叫び、10年後の自分への手紙にも書いていましたね
ごめんなさい、科学者にも研究者にもなりません
来年から人材会社でバリバリ働きます
あなたはきっと
「どうしてー?」
と言って私を責めるでしょう
何で薬学部に入って薬の名前、薬効、副作用とか覚えたのって
せっかく今から勉強しようとしてるのにって
ごめんなさい
でも大丈夫、
4年間で覚えた薬の名前は硝酸イソソルビドと、、、ってぐらい
薬学部なのに薬に全く興味ないからほんと1個しか覚えてない
大丈夫、
この先、大学に入るまで、勉強を嫌いになることはないし、
むしろその面白さに引き込まれていくから
だから
大学4年の僕がしたちょっとおかしく、ちっぽけな、この決断を許してください
「もったいない」
大学院進学を辞退した時、
研究者にならないと言った時
みんなは驚いた顔をしてこう言った
「もったいない」と
この言葉の意味はなんだろう
せっかく勉強して薬学部入ったんだから?
専門性あるから?
お給料いいから?
大学院まで合格したのに辞退して、休学して留年までしちゃった
自分もみんなと同じように大学院に進学してからこれからの進路を決めようと思っていた
大学院の入試勉強をしている時、初めて
「なんで大学院にいくんだっけ?」
そういう問いかけを自分にした
答えが出なかった
大学院での生活のその先に、自分の夢、やりたいことがない、そう強く感じた、
それがすべてだった
虚無感に包まれた私は、教務課にかけこんだ
大学院合格の結果がでたその当日
私は、休学届を提出し、大学院進学を辞退した
「もったいない」
何回聞いただろう
全部友達から言われたんだけど
きっと自分だけがもったいないって思ったことがなくて
もちろん、薬学部としての肩書きは全く使えないけど、
自分はそんなものなくても、活躍できる自信があった
だからもったいない、なんてない、と
そもそも、そんな肩書きはきっと、
一人暮らしの部屋にある巨大シャンデリア
みたいなものだから、
なんてね
それより、
大好きな古着とか、
ほこりまみれの漫画とか、
座りすぎて色あせたイスとか、
そんなものの方がよほど大切で、失いたくない
話を戻すと、
だからむしろ、
この貴重な人生をやりたくない研究に
あと2年も費やすほうがよほどもったいないし、死にたくなる
知識とか肩書きとか、それをとったらなんにも残らない、そんなしょうもない人間にはなりたくはないし、ならない
そう決めた
よく「結果より過程が大事」
そういう言葉を耳にする
本当にそう思う
「物語のおもしろさは結末ではなくストーリーにある」
そう思う
受験勉強をしてよかったのは、「合格」って結末はもちろんだけど、
これだけ本気になれる自分を知れたこと
勉強を心の底から好きになれたこと
自分しか知らない受験勉強のストーリーが数え切れないほどある
そんなこと
誰もが悩む進路選択
自分で考えて答え出しても、いろいろ邪魔になることがある
周りの声とか、親の反対とか、漠然とした不安とか
だけど、誰のために生きてんの?って
親のため?友達のため?
自分の決断を誰かにどうこう言われる筋合いはない
だって自分の人生なんだから
でも迷う、
人と違う決断するのって怖い
自分の人生だから、余計こわい
批判されるし、悩みを分かってくれる人もいないし、
失敗するかも知れないし
でもね
少なくとも自分はやりたくないことは絶対にやりたくないし
やりたいことで人生埋め尽くしたい
この気持ちは人一倍強いし誰にも負けない自信がある
だから踏み切れた
いま就活を終えて思うこと
本当に大学院を辞退してよかった
たくさんの人に迷惑かけたけど
きっとごめんなさい、
これからもよろしく、
で許してくれる
そんな気がする
だからこれからも、
よろしくみんな、よろしく自分
以下、TABIPPO2017京都スタッフとして活動していた時の日記の一部。
これは読まなくて良い。ただ、今思い出しても涙が出てきそうになる。
自分にとってはすごく大切な文章。
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TABIPPOに入って4ヶ月弱。
去年からやりたいっておもってたスタッフになれて、
ぶっとんだ考えの友達ができて、
自分が好きな旅がこんなに色んな人と分かち合えて、
すごく楽しい
ずっとおもってる
でも
その反面、大学の研究室がおもった以上に興味なくて、もちろんつまんなくて、でももがいたりして。
大学にいけば必死に研究してくらいついて、絶対優秀な研究者になりたいっておもって、努力してる友達がいて
かっこいいなっておもって、純粋に
もっと研究に時間割かないといけない。もっと時間を割きたい。
だから今日限りでTABIPPOやめます。
ってのは冗談で←ちょっとびびった人ごめん。なんかあげる。煮卵あげる。いえーい。
こないだ、9月16日に京都大学大学院薬学研究科修士課程に合格しました。おめでとうって色んな人に言われて、ほんとに嬉しかった。ありがとう。まだまだおめでとう募集してるから待ってます。
でもおめでとうって言われる度になんかごめん、っていう思いがいつもあって。
それは、9月16日大学院への合格が決まったその日に、教務課に休学届けを提出したからです。
休学します。明日から。大学院には進学しません。
半年ぐらいずっと悩んで、院試の勉強して、院試終わって、研究室に戻るってなった時。
大学院に受かっても辞退しようと決意しました。
実家に帰って、親に休学届けを見せました。さすがに驚かせちゃうかなって。
母の真顔にドキっとしたけど1分で話は終わって、「そっか〜ま、いいんじゃない!」って。
父は余計話が早くて大学院に進学しないてことと、来年就活することを言ったら
すぐに「じゃスーツいるな〜」「旅できなくなるなぁ〜」って言われて話は終わりました。
やっぱり神。
ほんとに感謝してます。
話が早すぎる。
翌日、4月からいじめられ続けてきた鬼教授に休学する旨を伝えに行きました。
正直、嫌いすぎてばっくれたろかおもたけど、ちゃんと話して自分の今の気持ちを伝えよう。
もう会うの最後やし。そうおもって研究室にいきました。
「先生、大学院に合格しました」
「あと、少し報告させて頂きたいことがありまして、、」
「休学します。大学院も辞退します」
研究に対して本当に興味がわかない、、
自分には他に就きたい職があって、目指したいことがあって、、
だから実験も、研究も片手間になってて、、
今までご迷惑ばかりかけて、、
話し始めてほんの20秒ぐらいで、教授の前で大号泣していた。
半年抱いてた違和感と葛藤が一気に涙となって溢れ出ていた。
絶対怒られる。なんでもっと早く言わない!大学院受ける意味なかっただろ!って絶対言われる。って。もう逃げれないなって。
でも教授はこんなことを言った。
「きみは私のことがこわいか」と。
すると、絶句した僕にこんな話をしてくれた。
「わたしはきみを生徒とはおもっていない、研究をする仲間の一員だと思っている、
きみはゲームをするだろ?研究はゲームで、僕たちはチームだと、
だから真面目にやらないと怒るし、厳しい言葉もかける、
きみともっとゲームがしたかった、同じ目標にむかって進みたかった、、」
そして、、
「きみが就活から帰ってきたらまた、研究というゲームを一緒にやろう。今度は本気で。」って。
ほんとに素敵な人と出会えた。
来年もまた同じ研究室を選ぼう、そう思った。


