top of page

17/4/30

ソーシャルゲームで借金300万作った話

Image by Olia Gozha

わたしは34歳の、地方で歯科助手をしている女です。

正社員ではありますが、手取りは15万ほど。独身の実家暮らし、彼氏もいません。父親は中学生の時に他界し、母が女手一つで育ててくれました。今も、育ててくれています。わたしは一切の生活費を家に入れていません。

働き始めた頃、家にお金を入れようとしました。しかし、母はいらないと言いました。「お前の年代は、きっと将来大変になるから、その分貯金に回しなさい」と言ってくれました。年金暮らしになってからも、ずっと、ずっと、何も言わず、わたしを養ってくれています。


わたしは、そんな母にありがとう、と言いながら、お金をドブに捨てるような使い方をしています。

スマートフォンでできるソーシャルゲーム。ソシャゲと呼ばれる、無料で始められるけれど課金していく事で強くなる、オンラインで他のユーザーと協力したり競い合う、現在となってはごく一般的なゲームです。

2年前、それに、はまりました。本当に、「嵌った」。底無し沼に、頭まで、一気に嵌った感覚です。もう沼の中の景色しか見えない。ソシャゲの世界がわたしのすべてになりました。

他の人より強くなりたくて、羨ましがられたくて、裕福なふりがしたくて、運が良いふりがしたくて、現実では得られない承認が欲しくて、認めてもらいたくて、認めてもらいたくて、認めてもらいたくて。

どんどん強くなり、どんどんお金はなくなり、お給料だけでは足りず、結局、タイトルの通り借金をしました。リボ払いと消費者金融で300万。あっという間でした。


なんのために生まれてきたんだろう、わたしは。


母には、言えません。でも、いつかバレるのでしょう。わたしは死んだほうがいいのだろうなと思います。いなかったことになれば、生まれなければ、どれだけよかっただろう。毎日、そんなふうに思います。

死にたいと思うほどどれだけ自己嫌悪を繰り返しても、泣いても泣いても、課金がやめられないのです。こんな事になるとは思ってもいなかった。


すべて自業自得です。


さあ、わたしが34歳までパートナーも見つけられず、低収入な仕事にしか就けず、母子家庭のくせに親のスネをかじり続け、ゲームごときに収入を注ぎ込むだけでは飽き足らず、多大な借金を作った、甘えた愚かなおばさんであることは、以上でお分りいただけたかと思います。


なぜこんな事になってしまったのか、わたしなりに、自分を振り返り、整理していきたいと思います。

もし借金を返せないまま死んだ時、訳のわからない状況に放り込まれる母に、残しておけるように。

←前の物語
つづきの物語→

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page