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第0章 Prologue
"EMERGENCY BREAK"
乗っていた電車が急停車した。
駅の構内に差し掛かり、ほんの数秒で到着するはずであった。
車掌のアナウンス。
「人身事故が発生しました。お急ぎのところご迷惑をおかけしますが、
復旧までお待ちください。」
夥しい血液、飛び散る肉片。
そんな殺戮のような光景が車窓から広がった。
こんな殺伐とした砂漠のような社会に生きていかなければならない人。
俺は、過ぎていく時間に追われながら、惰性に流され生きている。
俺が見たあの光景は、もはや俺が過去に感じた俺自身の
時代の遺物かもしれない。
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