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17/2/20

各国のバレンタイン事情【今年の戦利品】

Image by Olia Gozha


バレンタインデーの文化は国によって様々だ。


日本では、女性が男性にチョコレートを贈るのが軒並みとなっているが、私の住むヨーロッパでは、男性が女性にプレゼントや薔薇の花束を贈る日である。


一方、ホワイトデーが日本の文化であることは周知の事実だ。

以前何かの記事で、日本のホワイトデーについて知った主人が、1か月後に「倍返し」「3倍返し」で返ってくるシステムに「まるでインベストメントみたいだ!」といって目を輝かせていたことがあった。



ところで男性陣は、バレンタインデー前日や当日のデパ地下の熱気や殺気をご存知だろうか?

綺麗にラッピングされ、14日にサラッと渡された美しいチョコレートは、実は足を踏まれ、背中を押されながらゲットした戦利品なのだ。


それと同じく、ヨーロッパでは14日の花屋に男性の行列が出来る。


愛する人のため、薔薇の花束を手に入れようと一様に頑張って並んでいる姿は、可愛らしくも滑稽にも(失敬!)見える。

一度写真に収めたいと思っているのだが、今のところまだシャッターチャンスは訪れていない。




さて、では国際結婚の我が家ではどうしているのか?


日本が大好きな主人と息子のため、日本の文化は是非継承しておきたい。

しかしここはヨーロッパ。バレンタイン用のチョコレートなど存在しないのだ。


私は今年も、普段とはちよっと違った特別感のあるチョコレートを手に入れようと、休みだった息子を連れて、買い物ついでにまずはスーパーへと向かった。


スーパーに入ると、珍しく入り口付近に男性の人だかりが出来ていたので、気になって合間を縫って覗いてみた。


なんと!


仕入れの数は驚くほど少ないが、ハートの形をしたバレンタイン用のチョコレートが売られているではないか!(もちろん1種類)


私はほぼ条件反射のように慌てて男性の集団に混ざり、晴れてバレンタイン用チョコレートを1箱ゲットしたのだ。

少し離れて見ていた息子が、静かに鼻息を荒くしている母親を見て、「どうやらこれは特別なチョコレート」なのだと察知したようだった。


私の戦利品↓



家に到着して、購入したものを冷蔵庫にしまいながらふと気が付いた。


やけに息子が大人しい。


嫌な予感がしてチラッと覗いてみると・・・



!!!!!



今まさに「特別なチョコレート」の蓋に手を掛けているところだった。


「そっ!そのチョコレートはパパが帰ってから開けようね?」

息子「なんでぇ~?」

「パパと〇〇の二人に買ったものだからね。」

息子「はぁ~い」



うっかりしていたが、息子ももう「特別なチョコレート」が気になるお年頃なのだ。




さて、その日の18時頃、主人から「今から帰る」とメッセージが入った。

花屋に寄るので、仕事を早めに切り上げたのだろうと思った。

職場からはいつも40分くらいで帰って来るのだが、19時半になっても一向に帰って来ない。


何かあったのだろうか・・・?


心配になってメッセージを送ろうとしたその時、花束を抱えた主人がボロボロになって帰宅した。


まず、余裕をかまして職場のすぐ横の花屋に寄ったところ、売り切れだった。

そこで地元の花屋に寄ったところ、先客2名が残り5本の薔薇をめぐって、こんな戦いを繰り広げていた。


先客A「じゃ、じゃあ・・・私は赤を2本と・・・」

先客B「で、では・・・私は白を1本と・・・」


あまりにも戦いが辛過ぎて「私も欲しい」とは言い出せず、わざわざ隣駅まで歩いて薔薇の花束をゲットしてきたのだそうだった。


主人の戦利品↓


主人に「あまり綺麗じゃなくてごめんね」と謝られたが、そこまでして薔薇の花束を手に入れてくれた気持ちが嬉しかった。


そして来年は必ず、主人と息子のために手作りのチョコレートを作ろう!と決意した今年のバレンタインデーだった。




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