top of page

17/2/17

夢。

Image by Olia Gozha

私には、夢があった。それは、介護の仕事に就くことだった。

中学生の私は、祖母が入所していた特別養護老人ホームの職員さんの姿を見、憧れた。だからいつか、自分も介護の仕事がしたいと思った。

高校は、福祉に力を入れているからと、私立のある高校を勧められた。他に気になる学校はいくつかあったが、推薦してくれるならと、最終的にはその学校を選んだ。

しかし、人間関係の悩みやその他のストレスで、2学期がもう少しで終わるというときに退学をしてしまう。半年ほどしか通えなかった。

元々あまり喋るほうではなく、どちらかといえばいじめられっ子だった私は、その頃から将来について悩むようになった。私は介護職に向いていないんじゃないか、と。今だから思うのは、介護職に必要なのは、喋る力よりも相手の話を聞ける力ではないかということだが、当時の私は、みんなとテンポよく楽しくお喋りができないといけないと思い込んでいた。話し下手ではいけない、と。

その後、昼間の定時制に入り直すも、そこも退学。やはり、人間関係に悩んだ末のことだった。

その頃に心の調子を崩し、心療内科に通うようになった。精神科病院への入退院を繰り返した。そこで、新たな夢を見つけることとなった。

「精神保健福祉士になる」

今でも相変わらず喋るのはあまり得意ではないが、当事者だからこそわかることや出来ることがあるのではないかと思ったのだ。

今、私は福祉系大学の通信教育で勉強をしている。福祉の制度を利用してではあるが、仕事もしている。働きながら学ぶことは大変だ。それでも、自分が選んだ道。頑張るしかない。

介護の仕事は諦めることになったし、心もまだ不安定な部分はある。これからの課題はいろいろあるが、今度の夢は必ず叶えたいと思うし、いつか私の経験が誰かの役に立てばいいなあと思う。


←前の物語
つづきの物語→

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page